キャンセルされた本の案内

翻訳家の仕事 (岩波新書)


ゆうべ洗濯をしていたので、少しよゆう。
それでも昨日乾ききらなかったタオル類を、
二度目の洗濯機へ放りこんだり記事をあげたりするうちに、
あっという間に午後1時を回っている。


父母に送る荷物を抱えて外へ。
コンビニで無事、配送手配を終えて、
近鉄奈良駅へ。夜、本棚ぐるりのイベントに行くのに、
ギリギリの時間になることが予想されるため、
あらかじめチャージしておく。


再び地上に出て、市立図書館へ向かう。
市立図書館への道すがら、普段あまり寄れない古本屋を、
ひとつひとつ覗いていく。『読んじゃいなよ!』*1で気になった、
伊藤比呂美の文章が載っている『翻訳家の仕事』を探す。
図書館で借りてもいいかと思っていたのだが、
他に文章を寄せている面々を見たり、
密林レビューを読んでいるうちに、
手元に置いておきたくなったのだ。


フジケイ堂もちいどの店、
智林堂書店、朝倉文庫、十月書林と見たが、
伊藤比呂美の本は見つけられず。
フジケイ堂で、別な本を買う。


購入。フジケイ堂もちいどの店。
『カイエ 創刊号』(冬樹社)


中上健次佐々木幹郎の対談が面白そうだったので。
特集は「80年代文学へ向けて」。2016年の、不熱心な本読みから見ると、
どんな風に読めるのか。そもそも、読むことがかなうのか。積んだまま果てることにならないか。


市立中央図書館に着いた。家でパソコンから予約しておいた本を、
カウンターでお願いする。閉架書庫から持ってきてもらった。
その他にも何か借りられないかと棚も見て回ったが、
それ以外には借りるに至らず。3階にも、なかった。


借りた。奈良市立中央図書館。
倉田卓次裁判官の書斎』(勁草書房


これは、『増補 遅読のすすめ』*2を読んで気になってた本。
図書情報館では、「続々」しか所蔵がなかったので、
ネットで購入しようかと思っていたところ、
市立中央に所蔵されていて、嬉しい。


まだ日は高い。どこかでコーヒーでも、
と思ったのだが、今日は天王寺に出かけるので、
なるべく妻のごきげんをとっておいたほうがよかろう。
カレーでもこしらえてから娘たちをお迎えに行って、
あわよくばカレーを食ってから出かけたらどうだ。


自分の思いつきに気をよくして、
小走りで家路につく。途中、はっとして、
豊住書店に駆け込む。岩波新書、『翻訳家の仕事』はないか。
ケータイで、刊行年が2006年12月だと調べて、
その辺りの並びを見るも、見つからず。


岩波新書なら、もう一軒、こちらも覗いておきたい。
ベニヤ書店、さっき豊住さんの棚で見た背表紙のあるあたりを、
見る。ない。本当にないか?もう一度、ていねいに見直す。


あった。


購入。ベニヤ書店。
岩波書店編集部『翻訳家の仕事 (岩波新書)』(岩波書店


帰宅して、カレーの準備。野菜を炒めたあたりで、
時間が怪しい。とりあえず娘たちを迎えに行って、
またも小走りで帰ってくる。暑い。にんじんが固い。
妻から連絡がない。乗ろうと思っていた電車が行ってしまう。
妻から連絡がない。1本、また1本と遅い時間の電車の乗換え案内を調べる。
妻から連絡がない。これは、もう、無理だと観念してスタンダードブックストアあべのに、
詫びの電話を入れる。キャッチホンで妻から着信あり。
やはり、無理だった。


行けなかった。
スタンダードブックストアあべの 本棚ぐるり
第2回 ブックトーク「冬の本棚ぐるり」
http://standardbookstore-a.blog.jp/archives/67161535.html


冬の本棚ぐるりと題して、以下の5つのシチュエーションに合う本について、
大変興味深いトークが繰り広げられたはずですが、行けませんでした。


「雪の降る日に読みたい本」
「風邪で寝込んでいるときに読みたい本」
「除夜の鐘を聞きながら読みたい本」
「きっと君は来ない。1人きりのクリスマスイブに読みたい本」
「プレゼントにおすすめの本」


悔しいので、ひとり勝手に、遊ぶことにしよう。


「雪の降る日に読みたい本」

ちょっと分厚い海外文学とか、まるまる一冊読んでみたい。
夏っぽい記憶が強いけど、たとえばこれとか。
ポール・オースター柴田元幸ムーン・パレス (新潮文庫)』(新潮社)
あと、これも単行本なので、外出せず家で読みふけりたい。
イーサン・ケイニン柴田元幸エンペラー・オブ・ジ・エア』(文藝春秋


「風邪で寝込んでいるときに読みたい本」

荻原魚雷古本暮らし』(晶文社
魚雷さんにならって、冬眠スタイルを取り入れたい。


「除夜の鐘を聞きながら読みたい本」

多和田葉子言葉と歩く日記 (岩波新書)』(岩波書店
谷川俊太郎谷川俊太郎「詩めぐり」』(マドラ出版)


「きっと君は来ない。1人きりのクリスマスイブに読みたい本」

ケストナー、丘沢静也『飛ぶ教室 (光文社古典新訳文庫)』(光文社)
日本の「恋人たちのためのクリスマス」とは無関係に、
「悲しい1人きりのクリスマス」について書かれている物語。
何をもって「悲しい」と感じるか。ひとそれぞれだけれども。


もう一冊。
村上春樹柴田元幸翻訳夜話 (文春新書)』(文藝春秋
「オーギー・レンのクリスマス ストーリー」収録。
村上訳と柴田訳、両方楽しめます。イブになってからこの本を頭から読み始めたら、
イブのうちにその箇所にたどり着けるかは、怪しいですが。あ、そこだけ拾い読めばいいのか。


「プレゼントにおすすめの本」

冬の本』(夏葉社)
これにも、柴田元幸の文章が載っている。
おすすめのポイントはそこではないが。


柴田元幸ばっかしだなー。


イベントに行かなかったおかげで、
早寝を決めて明日からの激務に備えるつもりだったのだが、
思いのほか、一人遊びに苦戦して、こんな時間になってしまった。


妻は、先に寝た。
俺も、寝よう。