好奇心のしくみとタイミング

うたのしくみ


車中のとも。
細馬宏通うたのしくみ』(ぴあ)


「針先と指先」を読む。「『東京人』の読者なら」とある。
嬉しくなる。が、僕は自分では音盤を裏返した記憶がない。
親が持っていたレコードは、触ってはいけないものとして、
リビングにあった。音楽は主に、カセットテープで聞いていた。
ビートルズの赤盤も、カセットで聞いた。CDラジカセを、
中学1年生のときに、買ってもらった。レコードは、
いつまで家にあったのだろうか。今でもあるのか?


hm印のブクブク交換で、レコードの話が出た。
レコードプレイヤー、って言わないのか、
ターンテーブル、思っていたよりも、
安く買えるみたいで、気になる。


そういえば、雑誌売り場にもここ半年くらいで、
「アナログ」とか「レコード」といった言葉を目にする。
今日、とつぜん、自分に関係のあるものとして、
視神経をつかまれた気がした。


けれども、好奇心の寿命というのは、いったいどれほどのものか。
関心を持ち続けることの、メカニズム。気がつけば、
忘れ去ってしまっていた、いくつものときめき。
色あせた背表紙が黙ってあっちをむいている。


変化という、給油が必要だ。
驚きという、リフレッシュ。


サニーデイ・サービスの「海岸行き」という歌の、
「すぐに秋が来て海にはだれもいなくなる」という歌詞の、
「アキ」のところが「飽き・厭き」に聞こえて、
寂しいなぁ、と思ったことがあったな。


冬、来たりなば。


星新一に、「冬きたりなば」というのがあったな。


季節が巡るということも、好奇心の味方です。
音盤をまわしてみる日も、来るのかしらん。


気になる新刊。
伊坂幸太郎火星に住むつもりかい?』(光文社)
浅羽祐樹『韓国化する日本、日本化する韓国』(講談社


読了。
細馬宏通うたのしくみ』(ぴあ)

この世でいちばん大事なことは「すてきなタイミング」であり、「タイミングとC調と無責任」なのである。(p.274)


「FM発信とヘッドホンを用いた場内ラジオ放送」のくだり、
面白かった。大滝詠一、かぁ。まだ出会えてない。