片岡義男の本をみんな手に入れることではなく

ブックストアで待ちあわせ (新潮文庫)


今日も、新手のトラブルに見舞われる。
どうしたことだ。


気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
吉野弘現代詩入門 新版』(青土社
加藤俊徳『アタマがみるみるシャープになる! 脳の強化書』(あさ出版


車中のとも。
片岡義男ブックストアで待ちあわせ (新潮文庫)』(新潮社)


もくじをチラっと見ると、長いタイトルが、
ずらっと並んでいる。なんとなく、気分じゃなかったので、
そのまま通過して、ひとつめの「ブックストアで待ちあわせ」へ。


「ぼく」の語る風景。海の近く。なんとなく日本でないような気もするが、
わからない。とにかく、さわやかな雰囲気。「ぼく」は小学生か、
せいぜい中一くらいじゃないかな、と思って読み進めていったら、
ブックストアの女店主に、車を借りた。


大人!!


裏表紙にある内容紹介の最後には、「ほんとうのアメリカを知るための
楽しく愉快な本でいっぱいの本」とある。なんとなく気分じゃなかったので、
それ以外の文章はちゃんと読んでいなかったのだが、そのひとつ前の文章には、
「とっておきのアメリカの本の数々を紹介する魅力あふれるエッセイ」
とあった。あ、これ、エッセイ集なのか。「ブックストアで待ちあわせ」は、
なんだかわからないまま読んだが、読み終えて、小説か、と思ったよ。
・・・まぁ、どちらでも、いいのかな。仮にこれは小説だとして、
とても好きな小説だと思いました。エッセイだとしたら?
どうだろうか。小説と思って読んでしまったからなぁ。


エッセイだと思って読んでいたら、もっと違った感想を抱いたような気もする。


「リトル・ゴールデン・ブックスを開くと子供のころのぼくがいる」
を読んだ。これも、いいね。

ぼくにとって乳母のような役をつとめてくれていた美しい女の人に、リトル・ゴールデン・ブックスを全部ほしい、と言ったら、あなたにとって重要なのはこの絵本をみんな手に入れることではなく、手に入ったものを最大限に吸収して自分のものにすることです、と英語で諭されたことを、いま思い出した。(p.18)


帰宅すると、ドアに不在票。
ほぼ日ストア!


到着。
谷川俊太郎松本大洋糸井重里かないくん (ほぼにちの絵本)』(東京糸井重里事務所)


娘が興味を示したので、読み聞かせる。
俺も、初読。


読了。
谷川俊太郎松本大洋糸井重里かないくん (ほぼにちの絵本)』(東京糸井重里事務所)


スタートこそ、ふむふむ、という感じで読んでいたが、
途中、「え?!」という展開になり、最後は、ふー、
となった。(なんのこっちゃ)『ボールのようなことば。』*1を、
彷彿させる読書感だった。文章と、絵とが、緊張感をもって、
対峙している感じ。油断すると、絵だけが、立ち去ってしまうほどの。


これ、先に谷川俊太郎がお話を考えたんだって。
そうなのかー。あの、「断絶」というか、「転換」というか、
あれも、谷川さんからのボールだったのか。読んでいるときの驚きには、
絵からもらったショックのように感じられて、なんとなく、
お話主導より絵主導に思えたのだが、そうなのかー。


読み終えて、「フーン」という感じの二歳児でしたが、
意味がわからないなりにシーンとしていたので、
しつこく読み聞かせしてやろ、と思います。


詩人と漫画家と、絵本。(ほぼ日刊イトイ新聞
http://www.1101.com/tanikawa_taiyo/