二冊流積読居士半端帳

オズマガジン2014.3月号


昨日、一冊読み終えたので、車中のともを物色。
夜、一冊を決めたのに、なぜか朝には二冊になっていた。
ときどき、一冊の本しか持って行かないことが不安なときがある。
読みたくもあるが、突然読みたくなくなるかもしれない、などと。


車中のとも。
河合隼雄こころの読書教室 (新潮文庫)』(新潮文庫
小山清落穂拾い・犬の生活 (ちくま文庫)』(筑摩書房


『こころの読書教室』、冒頭、「まず読んでほしい本」と、
「もっと読んでみたい人のために」というリストが挙げられている。
一冊目に、山田太一の『遠くの声を捜して』*1新潮文庫)があった。
『あぁ、それは持ってるな、読んでないけどな』と思っていたら、
内容の話になって、「あ!これ、読んでたわ」と気づいた。


本を紹介している本を、わりと好んで読むけれど、
読んだことがない本についての文章は、なかなか難しい。
面白そうに紹介されていると次の一冊への期待は高まるのだが、
内容を知りすぎてしまうと逆に読む気が失せてしまうし、
できれば新鮮な気持ちで読んでみたい、という欲もある。


読んだことがある本についての文章は、その点、安心だ。
一冊目の本が、既読の本で良かった。割と内容について明かしてしまっているので、
もしも『遠くの声を捜して』を読んだことがなかったら、
読み出し早々に苦い気持ちになってしまったかもしれぬ。
それでも、河合先生の語り口調は、優しくて、おかしくて、
あんがい平気だったかもしれないけれど。


電車の乗り換えのタイミングで、本を替えてみる。
『落穂拾い・犬の生活』は、ゆうべ、かばんに入れるとき、
ちょいとぱらぱらしていた。「それは一冊の古ぼけたノートである」
と始まる冒頭の四行が示す二重構造の設定に、心地よい緊張感。
「一人の少年が『わが師』へ宛てて書き綴った手紙の形式」だ。


現代かなづかいも読みやすく、太宰治を思い出させる自虐語り、
ピース又吉直樹を思い出させる被職務質問体質。ふむふむむ。
小山清さん、はじめまして。私はあなたと、仲良くなれますか。

友達が欲しいという思いが胸に湧きました。すると僕の気持は吐け口を見つけたようにその思いに注がれました。友達は持てるぞ、友達は持てるぞ、そんなことを思い、心は楽しくさえなってきました。(p.16)


気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
藤原智美ネットで「つながる」ことの耐えられない軽さ』(文藝春秋
TRUNK〔トランク〕 (NEKO MOOK)』(ネコ・パブリッシング)


購入。
オズマガジン2014.3月号』(スターツ出版
火付盗賊改方研究会『鬼平犯科帳大研究 (TOKYO NEWS MOOK 391号)』(東京ニュース通信社


OZ magazine (オズ・マガジン) 2014年 03月号』
特集は、「明日が変わる一冊に会える 本屋さん」。
迷った末に買わない雑誌もあれば、めくりもせずに、
スッと買ってしまう雑誌もある。これは、いったい。