他の季節を想う冬

ぼくは本屋のおやじさん (ちくま文庫)


祝日には、荷物が来ない。
行きの電車で、送品表をにらむ必要もない。
で、こころおきなく、本を読む。


ツイッターに時間を盗られる前に、
ページに顔をつっこんでおく。

僕は今、歌を歌おうとしている。才能はない。技術もない。なおかつ、あがり症だ。その僕がどうして人前で歌おうとしているのか、自分でもよくわからない。日常で言いそびれたことを、非日常の世界で吐き出したいのかも知れない。「弱さが正しいのだ」ということを証明したいのかも知れない。「この世で一番キレイなもの」が何なのかを知りたいのだ。(p.227)


この文章の最後に、「ハヤカワ文庫『夏のブックパーティー1996』<解説目録>」とある。
なんだろう、夏のブックパーティーって。1996とかつくと、
もうググッと気持ちをわしづかみされてしまう。


帰りの電車で読むものを残しておきたくって、
途中で本を閉じる。いつも地下鉄にいる小学生たちが、
今日はそれぞれ本を持っている。読んでる日と、読んでない日があるのは、
何か、朝の読書会とか関係しているんだろうか。(そういう感じでもないけど)


読了。
早川義夫ぼくは本屋のおやじさん (ちくま文庫)』(筑摩書房


早川さんの文章は、なんか、優しいなぁ。
勝手に、自分は標的になっていないつもりで読んでいるからかもですが。
勝手に、自分は早川さんの味方でいるつもりで読んでいるからかもですが。


そうそう、つげ義春を読み返したくなった。
でも、新潮文庫で何冊か持っていたはずのが、
一冊しか見当たらないんだが。実家でも、見つけられなかった。
どこ行ってしまったんだ?とりあえず、『芸術新潮*1、読みなさい。