いつまでも、の幻想

火曜日は、パートワーク天国。
パートさん、たくさん出勤、
分冊定期の山も、すいすい。


いつまでも、いると思うな、
親と、優秀なパートさん。


気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
生活雑貨の逸品達 (玄光社MOOK)』(玄光社
川口葉子京都 カフェと洋館アパートメントの銀色物語』(東京書籍)


車中のとも。
ねじめ正一荒地の恋 (文春文庫)』(文藝春秋

南京墓地の見える静かなこのアパートを、北村は気に入っていた。安住の地を得たという思いがあった。死ぬまでここに住んでもよいと考えていた。(p.287)


やたらと引っ越しを重ねる北村くんであったが、
このアパートには長く住んでいる。昨日読んだ、
引っ越してきた日の描写がとても素敵に思えたので、
そこに長く住んでいることが、我がことのように嬉しく思えたり。


待ち合わせまで時間があったので、一気に読み干そうかと、
ぐあーっと読んだが、読みきれず。美味しいお酒を、
そんな風に無茶に飲んではモッタイナイですよ!
と、怒られてしまいそうな読み方でありました。


松田聖子が出てきた。p.338まで読んだ。


内容に、少しでも心当たりを感じる人であれば、
人生を狂わされるほどに危険な小説かもしれないな、
なぞと思う。あるいは、自ら狂気に歩み寄るか。


登場人物の行動に、「こんな人がいるのか!」と思い、
そのことが、自分の行動の規範を揺るがせてしまう。
いや、規範が作り上げられていたことに、気がつく。


自分が選ぶか否かは別として、人生の道筋は、
というか男女の描く航跡には、実にたくさんの可能性があるのだな、
と思った。そのことが、すんなり腑に落ちたように思った。


ずっと避けてきた小説であったが、
そのなんとなくな迂回は、正解であったのだろう。
たかが5年であるが、ようやくここまでたどり着いたのだ。


いつまでもの幻想にやぶれて、
幻想を忘れようと走り続けて、


振り返れば、幻想を握り締めたまま走る自分が見えた。
手を見れば、そこに真っ赤な幻想があった。


今では、幻想の世界に暮していることを知っている。
今日の日は、さようなら。