古道具屋のステキな本棚



富雄にある古い道具とカワイイ雑貨を商う店、チロル*1
7月、8月と、「旅するふるほん屋ぼちぼち堂」*2とのコラボにて、
古道具屋→古本屋へと変身すると聞き、訪ねてみた。


チラシを頼りに、ローソン脇の細い細い路地を抜けていくと、
ステキなお店がありました。店に入ると、女性客二人が、
おかみと話している。これ幸いと、棚に集中する。


ラインナップは、文庫を中心に単行本、雑誌少々、
絵本など。本の本が随所に散在していて面白い。
よくよく見ると、1巻と2巻が離れて並んでいたりする。


たとえば、『新潮現代童話館〈1〉』*3と『新潮現代童話館〈2〉』*4が、
たとえば、角川文庫の『特集・本の雑誌』の1、2、3が、*5 *6 *7
違う棚に差さっている。このちょっと離れたところにある、
という具合が、絶妙な味わいをかもしだしている。


ちくま文庫も、散在。ブックオフなどだと、
ある範囲でちくま文庫のコーナーが終了し、
「ああ、もうおしまい!」という残念な感じが生じるのだが、
チロル流だとあちこちで肌色の背表紙が「やあ!」と挨拶。


嬉しいじゃないか。
なんというか、ちまちましていない。
部屋全体で歓待されている感じだ。


いったいどういう意図でこのような並べ方をしたのだろう?
あとでおかみさんに聞いたところによると、特に狙いはないそうな。
ぼちぼち堂さんが並べたのかと思いきや、本は3行で寝てしまう、
という本を読まないおかみ自らが古道具屋的センスで、
「このように並べるのがよろしかろう」と並べたのだ。


いやぁ、ステキな本棚でございました。


気になった本は、ハービー山口の単行本、『ずっと探していた』*8
『日本の童画 滝平二郎/谷内六郎/藤城清治*9畑中純私の村 (ちくま文庫)』(筑摩書房)、
北原尚彦『古本買いまくり漫遊記』(本の雑誌社)など。
今はもう入手済みで実家にあるが、以前に探していた、
吉行淳之介開高健の対談『街に顔があった頃』*10もあった。


購入。古い道具とカワイイ雑貨 「チロル」。
山崎慶子『絵本にできること・あなたにできること (ことばの種まき)』(フェリシモ
山崎慶子『目にうつるもの・感じるもの (ことばの種まき)』(フェリシモ
松井直『絵本のよろこび』(NHK出版)


「チロルの夏、ぼちぼち堂の本」は、7月・8月です。
営業日は毎月1日から15日のみ、月の前半半分だけ、
という変則的なお店なので、ご注意あれ。
近鉄奈良線利用者で古本屋さん好きなあなた、
ぜひ。