名前の秘密

本業失格 (集英社文庫)


沐浴指導を受けられる、とかで、
午前中から病院に向かう。うちのは、
手違いで済んでしまったそうで、
よそのお嬢さんがモデル。


助産師さんがやるのを見ていれば、
そりゃ、手際よくてきぱきと済む。
自分でやったら、どうなることか。
まだ、想像することすらできない。


購入。ブックオフ横須賀中央店。
松浦弥太郎本業失格 (集英社文庫)』(集英社


なんでだか、文庫でも購入できていなかった一冊。
105円だったから、理由を無理に思い出すこともなく、
ふいっと買ってしまった。帰りの電車で読み始めて、
あぁ、この「はじめに」が大好きだったなぁ、と
思い出した。なんで、持ってないんだっけ。

本業がその人の全てではない。人生の全てでもない。本業で成功しなくてもいい。本業ではないからこそ面白い。仕事についてはできるかぎり広いまなざしを持って自由でありたい。『本業失格』の意味することはまさに自由であれということだ。(p.4)


娘の名前を考えながら、横須賀のまちをぶらぶら歩く。
図書館やら、本屋やら、100円ショップやら、坂道やら。
誰も答えを教えてくれない。名前をつけてやるって、
ほんとうに、ほんとうに、難しいことだと思った。
選ぶのは、やさしい。これしかない、という確信は、
一体どのようにして立ち上がっていくのか。


購入。平坂書房PRIME店。
榊原洋一『新版 5月生まれの赤ちゃんの本 誕生前から満1歳までの成長とケア (誕生月別赤ちゃんの本シリーズ)』(日本放送出版協会


気休めに買ったこの一冊も、妻の反応を見て、
少しは安心できた。やれやれ、本を選ぶことすら、
自信が揺らいできているのか、しっかりしろ。
いわんや、名前をや。


病院に戻って、妻と再び、話し合う。
名前が、決まる。不思議だ。これで決まりなのか。
今まで生きてきた中で、一番重大な決断だった気がする。
もしかすると、これから先も、こんな気持ちには、
ならないかもしれないな、などと思った。


気になる新刊。
クラフト・エヴィング商會おかしな本棚』(朝日新聞出版)


クラフト・エヴィングの本は、いつも、
よさそうなんだけど手に取るに至らない、
不思議な距離を保ってしまっていたのだが、
こいつぁ、すごい。思わず、唸ってしまった。


帰宅して、改めて、名前の由来について、
文章にしてみる。理由をこしらえてしまえば、
なるほど、そういうことかとも思ってしまうが、
この名前は、きっともっとどこか不思議なところから、
ひらひらと舞い降りてきたんじゃないかしら。