大好きです。

角田光代サイン会。
三省堂書店神保町本店。御茶ノ水から歩いて、14時少し過ぎに到着。
5人ほどの列の一番後ろに並ぶと、係りの人に、
「恐れ入ります、最後尾はあちらになります」と注意される。


指されたほうに、なるほど、間を空けて、列が続いていた。
階段を上っている。そりゃそうだ。5人てことはないな。
そして、階段をぐるぐる、ぐるぐる上った。
上っても上っても、人がいる。目が回る。
4階ぐらいまで上って、ようやく最後尾。
並びながら、『何も持たず・・・』を読む。


しばらく自分が最後尾だったが、やがて、
ぽつぽつと、後ろに並ぶ人も増えてくる。
ときどき、引き返す人もいる。なぜだ?
どんどん読んでいたら、順番が近づく。


「次の5人の方、お進みください」
僕が、5人目。一番初めに並んでしまったところに、
再び立つ。なるほど、こういう仕組みだったのね。
話しかけられるのだろうか、どきどきする。


この日記で、ぼくはずーっと、ずっと、
光代呼ばわりで、好き勝手書いてきたけど、
本物の角田光代を前にして、すごくすごく、
どきどきした。あ、あの人、手紙渡してる。


横にいるスタッフがそれを受け取り、
足元の紙袋にすとんと入れる。
捨てられちゃったような印象。
並ぶ人、並ばれる人。


前の人は「一人一冊なんですけど」という店員を寄り切り、
二冊分のサインをもらっている。ありがたい。
光代を眺める時間が、増えた。あー、なんか話してる。
あー、もう、僕の番だ。「こんにちは」あ、挨拶された。


「小説も好きなんですけど、エッセイが大好きなんです」
と、話しかけようか、と思っていたのだけれども、何も言えなくて。
「がんばってください」とか言ってしまった。なんだ、それは。
でも、万感胸に迫ることばだったんよ、光代。


今日の日記でも、光代、光代と連呼しているが、
サイン会の前後は一切、「光代」という呼び名は浮かばなかった。
僕が会いに行ったのは「角田光代」だった。やはり、
読んでいて「すごい・・・」って思う人だからか。


角田さんは、チラシを一枚くれた。
「良かったら、来てください」
「4人が創る「わたしの美術館」展」
http://www.jiu.ac.jp/yma/2008/fourviews/


車中のとも。
角田光代何も持たず存在するということ』(幻戯書房


新聞に寄せた文章などがたくさん。
ひとつひとつが、見開きで終わるくらいの長さ。
こういう短くて、歯ごたえのある文章が大好きだ。