2007 五本の指

五本の指、2007。

父:角田光代対岸の彼女』(文藝春秋
母:長嶋有ジャージの二人 (集英社文庫)』(集英社
兄:荻原魚雷古本暮らし』(晶文社
姉:築山節『脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)』(日本放送出版協会
赤:石原千秋未来形の読書術 (ちくまプリマー新書)』(筑摩書房


「父」は、ようやく読み始めた光代の小説群の中から、
いちばん揺さぶられたものを一冊。小説も面白いです。
ありがとう、光代。今年もよろしく。


「母」は、ゆるい感じの語り口が、リアルだった。
同じ世界のことを描いてるって気がした。
長嶋有は、まだまだ読んでない小説がたくさんありますからね。
今年は、もそっと読んでいきたいね。
でも、装丁があんまし好きじゃないんだよね。


「兄」は、とにかく面白かったよ。
そんな古本ライフがおくりたいよ。
装丁も、絶妙。タイトルも帯びも、
たたずまいのすべてが、いいよね。


去年はようやくぼくにも脳ブームが来たのですが、
その中でも一番、刺激的だったのが、「姉」でした。
今年は、茂木健一郎池谷裕二も読みたいな。


「赤ちゃん」ですが、ちょっと迷いまして、
でも新しい出会いってのを重視して、石原千秋
いやー、ちくまプリマー新書、いいね。
これについて、結局感想を書かないままでした。
借りた本だったので、手元にないんだなぁ。
本を読むことについて、ちょっと新鮮な指摘と、
感じていたけどことばにできなかったことが読めて、
すごくワクワクした。石原千秋、他の本も読みたいです。


対岸の彼女
ジャージの二人 (集英社文庫)
古本暮らし
脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
未来形の読書術 (ちくまプリマー新書)


さて、上記以外の読書も、ざっと振り返ってみます。
角田光代、去年は小説もたくさん読みました。
『愛がなんだ』も、かなり面白かったな。
角田光代空中庭園 (文春文庫)』(文春文庫)
角田光代ちいさな幸福 (講談社文庫)』(講談社文庫)
角田光代『いつも旅のなか』(アクセスパブリッシング)
角田光代『愛がなんだ (角川文庫)』(角川書店)
角田光代『幸福な遊戯 (角川文庫)』(角川書店)
角田光代『みどりの月 (集英社文庫)』(集英社)
角田光代『だれかのことを強く思ってみたかった 集英社文庫』(集英社)


いしいしんじ『ぶらんこ乗り (新潮文庫)』(新潮社)
こいつもよかった。いしいしんじの本は「ものがたり」って感じ。
子どものころの圧倒的な「読書の深さ」を思い出す。


もう一年前になってしまうのか。
森山大道『昼の学校 夜の学校』(平凡社)
こいつもよかった。でもあのときの衝撃は、
正直、薄らいでしまってるなぁ。
自分の好きなことに、もっとのめりこんでいかなきゃ。


岡崎武志『読書の腕前 (光文社新書)』(光文社)
これは、五本に数えたかったが、同じ「古本のほん」として、
『古本暮らし』を入れてしまったので、泣く泣く。
タイトルもいいし、新書なのにあの厚さってのも嬉しい。
今、ぱらぱらしたら、もいちど読みたくなっちゃいました。
近々、再読しよう。


保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』(草思社)
これもよかった・・・、はずなのだが、
実は、あんまし覚えていない。ぱらぱらしないと、
思い出せない。内容を覚えていないだけでなく、
その衝撃すらブログを読み直して「そういえば」なのだった。
・・・再読しようかな。


下半期には、内田樹が突如、駆け出しました。
内田樹『先生はえらい (ちくまプリマー新書)』(筑摩書房)
これも、プリマー新書。石原千秋に譲りましたが、
この本も、かなりよかった。高校生のころにも、
読んでみたかったね。ちゃんと、面白がれたのか、
ちょっと心配ですが。


さて、2008年の読書は、ちょっとだけ、
テーマや著者を意識して、固め読みをしてみたいです。
そのときどきの関心や気分に左右されないわけにはいきませんが、
なんとなく、少し俯瞰的な「読書計画」を持ってみたいな、
みたいな。


あと、買ってすぐに床に積むのはやめようね。


車中のとも。
岡崎武志『古本病のかかり方 (ちくま文庫)』(筑摩書房)
岡崎さんの京都古本追憶記が読んでみたいなあ。

赤貧三バカトリオによる、この「鳥小屋」(仲間はみんなそう呼んだ)での一年半に及ぶ青春珍道中はそのまま一冊の本になりそうだが、ここでは割愛。(p.126)

風呂読。
BRUTUS (ブルータス) 2008年 1/15号 [雑誌]』(マガジンハウス)