選べない
学生のころのことを、ふっと思い出す。
「選べない」という言葉を、じっと考えていたころ。
気になる新刊。
山崎ナオコーラ『長い終わりが始まる』(講談社)
橘木俊詔『女女格差』(東洋経済新報社)
加藤典洋『何でも僕に訊いてくれ―きつい時代を生きるための56の問答』(筑摩書房)
岡崎武志、山本善行『古本屋めぐりが楽しくなる―新・文學入門』(工作舎)
『長い終わりが始まる』、表紙写真は、中野正貴の『東京窓景』から。
う、うらやましー!俺もすてきな写真が表紙にある本を作りたい。
三省堂書店神保町本店、4階で『新・文學入門』刊行記念フェア。
岡崎さん、山本さんの選んだ古本も、販売しているの。
装画の石丸澄子さんの原画なんかも展示してありました。
「おに吉」のバックナンバーも全点展示。*1
「ふるほん節」という、いい感じの歌が載ってるてぬぐいが、
気になった。って、これ、今ネットで調べたら、
「おに吉」の2号に載ってたみたいだね。
うろ覚え。このてぬぐい、欲しいなぁ・・・。
そして、『新・文學入門』の本のつくりが、超ナイス。
なんというか、すてきな青に心が震えました。
ぜひとも『気まぐれ古書店紀行』と並べて欲しいところ。
「新・詩集入門」ってのが気になってぱらぱらしたら、
ふたりの脱力全開のかけあいに、ほほが緩んでしまう。
残念ながら持ち合わせがなかったので、購入できず。
そもそも、『気まぐれ古書店紀行』未読です。
まあ、本は逃げないからね。2冊並んだら、
ぼちぼち読むとしよう。
購入。山本さんの箱から。
村松友視『旅を道づれ―チェーン・トラベラー』(筑摩書房)
ハードカバーなんだけど、なんていう版型なんだろ、
こぶりの感じのいいつくり。旅「を」道づれ。いいタイトル。
読了。
石原千秋『ケータイ小説は文学か (ちくまプリマー新書)』(筑摩書房)
なかなかに面白かった。ケータイ小説を読みたくはないが、
ケータイ小説が好きな女の子とかの話は聞いてみたい。
同じく石原の『謎とき村上春樹 (光文社新書)』を読みたくなり。
☆ ☆ ☆
最初に誰かに本を贈ったのは、学生のころだった。
本を贈ることの難しさについて、わかっているつもりだったが、
今回、選ぶ気力が湧かないという、新しい局面にゆきあたった。
人にもよるのだと思うが、僕にとって「本を贈る」という行為は、
いつの間にかけっこうデリケートな問題になっていたらしい。
別の物を選んだり、別な人に選んだりすることは、
今でもできると思うのだけど。
あの人に本を選ぶことが出来なかった、ということが、
いま、とてもむなしい。