砦を守る一羽のとり、である

ローカルブックストアである: 福岡 ブックスキューブリック


祝日。
荷物がないので、すこし、遅い出勤。
この時間だと、快速急行でも前向きシートのことが多い。
こないだ「旅気分」を発見したばかりなのに、
もう飽きてしまったのか、すぐに本に向かう。


車中のとも。
大井実『ローカルブックストアである: 福岡 ブックスキューブリック』(晶文社


平尾誠二の名前。
同じ大学だったのか。
同世代の人が早く亡くなるのは、
ショックだろうな。もっと活躍して欲しかった、
という思いと、自分もそういう年齢になってきたかという思いと。
僕はまだ、そういう経験はほとんどない。S君のときは早すぎて、
自分の身を置き替えるほどにはならなかった。


『ヨレヨレ』がまた出てきた。河野さんの本*1でも紹介されていた。
『へろへろ』*2も気になる。またしてもナナロク社だ。


気楽に読みすすんできたが、「本の流れの川下から」に入って、
少しく緊張する。書店現場のはなし。さっきまで2016年の日記とか読んでたから、
ここも最近の話かと思って読んでいたら、2007年の記事だった。あぁ、十年一日

出版社や取次もこれだけ書店の数が減ってしまったのだからランク(80頁参照)なんてものを振りかざして書店を選別しようなどと考えず、残った数少ない販売の砦を再生し活用することに全力をあげて取り組むべきであろう。(p.197)


数少ない販売の砦。そうなのよ。
本にまつわる人々は、同じ志を持つ仲間なのよ。
図書館も、新刊書店も、古本屋も、出版社も取次も、
著者も編集者も読者も、トラック運ちゃんも、みんな。
Amazon でさえ、同志なんだな。


休配日、いろいろとたまっている作業を、
あっちこっち走りまわってかたづけていく。
今月中に始末したかった本丸は攻略できなかった。
100分de名著に絡めた三国志系の本のコーナーができてよかった。
トレジャーアイランドだから勝手にムックと思って多めに発注したのが、
書籍だったので頑張って売り切らなきゃ。雑貨店に学べ、ですな。


体調不良のお休み連絡とか、寝坊で遅刻とか、
暗雲垂れ込めるレジ周りを他のスタッフに任せて、
昼休憩に出る。ここでもたもたとレジを手伝っていては、
かえって後で沈没することになる。自分を、長持ちさせるために、
きちんと休憩に出る。長持ちさせることが、大切だ。


読了。
大井実『ローカルブックストアである: 福岡 ブックスキューブリック』(晶文社


昼休憩で、うっかり読み干してしまった。
読書と食事の話は、僕もよく、連想するところ。
「紙の本を読むことの意味」について、ときどき、
考えておいた方がいいよなぁ。もうだれも奴隷にならないように。


「11時間の車座トークが本になった!」のところで、
トークイベントのこと、そしてその本のことが語られている。
パネラーが決まる経緯、当日の様子を読むと、俄然、
その『本屋がなくなったら、困るじゃないか』*3を、
読みたくなってくる。


いったいどうして、今まで放置していたのだろう。
それを言ったら、この『ローカルブックストアである』も、そうか。


『夜と霧』の読書会の話も、良かった。
こないだ、文庫で「フランクル『夜と霧』への旅 (朝日文庫)」*4も出たとこだし、
「ステフィとネッリ」を読んだときにも、強制収容所のことが気になった。
一色文庫で『『アウシュビッツを一人で生き抜いた少年』*5も買った。
少しずつ、読みたい動機を集めているところ。


退勤。18時過ぎても、まだ明るい。
もうすぐ5月だ。


読み終えた本を、もう少し読み返したっていいはずなのに、
新しく読む本を買おうとしてしまう。買いたい理由が欲しいだけさ。


気になる新刊。
仲村清司『本音で語る沖縄史 (新潮文庫)』(新潮社)
堀本裕樹『俳句の図書室 (角川文庫)』(KADOKAWA角川書店


車中のとも。
大井実『ローカルブックストアである: 福岡 ブックスキューブリック』(晶文社


珍しく、読み終えた直後の本を引き続き手に取って、
気になるところをノートにメモしていく。気になる本、
仕事のヒントになりそうなところ、などなど。メモの途中で近鉄奈良
子たちを寝かしてから続きをメモろう。