記憶の沿線風景
原武史の名前と鉄道とを結びつけて覚えたのは、
いつ頃だったろうか。この講談社文庫の新刊予定を見て、
気になるな、とメモにとったのは、「原武史+鉄道」の組み合わせに、
魅力を感じたから。ただそれだけだったはず。
実物を書店で見つけたとき、その帯の言葉に、
びっくりした。「一冊の本を道標に旅を楽しむ
日帰り“書評”エッセイ」とある。あれ、本の本なのか!
しかも帰宅してから調べたら、親本についても、
刊行当初、目をつけていたようだ。
その当時は、本についての本だってのは知らなかった。
単純に、鉄道本だと思っていたから、手に取るまでには
至らなかったと思う。セピアっぽい色と細い形を覚えている。
新刊予定を見た時は、そういうのは全て取りこぼしていた。
原武史、沿線風景というタイトル、それだけで、
気になったはずなんだけど、こうして手にしてみると、
なんかもっと色々な要素が組み合わさって作用したのかも、
とも思う。『滝山コミューン一九七四』*1の作者でもあるとか、
本文に出てくるまで、全然気づいてなかったしなぁ。
車中のとも。
原武史『沿線風景 (講談社文庫)』(講談社)
記憶と電車と本のことが書かれている。
面白い。
今日は、新しい勤務地、初日。
緊張するぼくを祝福する雨。
雑誌を出したり棚整理したり、
レジを習ったりなんだりして、
長いような短いような一日が終わる。
今日のことは、いつかまた、
思い出されるときがくるのだろうか。
何かに記される日が?