舞台へとび出したなら
父が来て、昼飯を一緒に食べた。
僕の名前をつけたころの話を聞いた。
午前中に、ちょこっと。
新井敏記『SWITCH STORIES―彼らがいた場所 (新潮文庫)』(新潮社)
「文庫のあとがき」、緒形拳から、笠智衆、
荒木経惟、沢木耕太郎、とつながっていく。
沢木耕太郎の解説も続けて読む。
「(笑)」が少し鼻についた。
なんとなく、沢木と新井の文章が、
似ている気がした。
ぱらぱらとめくって、ふと、
市川新之助の部分に目が留まり、
読み干した。海老蔵。どうしているだろう。
購入。有隣堂戸塚モディ店。
つげ義春『新版 貧困旅行記 (新潮文庫)』(新潮社)
来週、鎌倉のタイセンカクに泊まるのだ。
予習、予習。とかいって、そこまで読み進むかどうか。
列車が動きだすと、私はようやくほっとしたが「蒸発をするのは案外難しいものだな」と思った。それは現実の生身の役者が舞台へとび出し別の人間になりきるのに似ている。役者は舞台のソデで緊張と不安のあまり吐気や便意を催すという。しかし舞台は幕がおりる。蒸発は幕がおりないから演じ続けなければならない。別の生を生きなければならない。だが演じ続けることもやがては日常となり現実となるのであろう。そう解っていても私はもうとび出してしまったのだ。(p.12)
うーむ、つげ、久しぶり。
効くなぁ。