言葉に毒された身体を解放させる環境

READING HACKS!読書ハック!―超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣


今日は、小山龍介さんのセミナー。
定員12名の少人数セミナーということで期待していたが、
ふたを開けてみたらなんと!参加者5名!
なんという贅沢!


小山さんからも「今日のメンバーはよかった」
というお墨付き(?)をいただいた、
少数精鋭の濃密度でナイスなセミナーでした。


  小山龍介のブックサロン「パピルス2010」第3回
  取り上げた書籍。
  原尻淳一『READING HACKS!読書ハック!―超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣』(東洋経済新報社


第1回の対象本、山田真哉目のつけどころ』(サンマーク出版
第2回の対象本、午堂登紀雄『知的生産力を鍛える!「読む・考える・書く」技術―あなたのアウトプット力を飛躍させる50の方法』(ダイヤモンド社
前回までの2回のセミナーを振り返りつつ、
本日の「ホームグラウンドを作ること」について話が咲く。


途中、原尻さんご本人も登場!打ち合わせがあるとのことで、
さらに途中でお帰りでしたが、オリジナルのアイデアファイルは、
迫力満点でございましたよ。やはり小山・原尻コンビは、
ただならなぬパワーを持っているな、と感じたしだい。*1


本の読み方として、ロジカルでだけでなく、
「直感的に感じたものを拾っていく」スタイルを提唱。
これはホームグラウンドを作るため、というよりも、
「知のホームグラウンド」を持っている人だからこそ、
「感じられる」「引き受けられる」印象。


身体感覚に根ざした体感的読み取り(?)で、
行間にただようものも吸収できるのかもしれない。
内田樹大野晋といった名前も登場。
日本にある「●●道」といったものは、
感じることをコントロールすること。
「読書道」なんていう言葉まで飛び出した。


体験したワークは2つ。目をつぶって1分間、
今、自分が何を感じているかをチェックするワーク。
2軸をつかった四象限の表を3つ作って、
これから読みたい本をマッピングするワーク。


参加者それぞれの声を聞いて、空間の密度が高まる感じ。
しかしマッピングのワークは難しかったス。
考える順番、というのがあるのかわからないが、
対立する2項目はいくつか思いつくのだが、
どの組み合わせでクロスしたらいいのかわからない。


また、できた四象限から読みたい本を思い出そうとしても、
案外、出てこない。まず読みたい本をリストアップとか、
まず気になる二項対立を列挙する、とか、なにかしら、
適切な順番で考えていけばもっといい感じにいけそうなのに!
と思いながら、行き当たりばったりで頭を抱える、五里夢中。
ピザの匂いに阻まれて、なかばワークを放棄する態で、思考中断。


小山さんおすすめのトマトが新鮮なピザを食べた。
美味い。他のみなさんは、もくもくとワークの続きをしたり、
終わって、のびのびと(?)ピザを食べたり。僕は内心、
マッピングのことが気になったまま、おしぼりを使う。


自分が苦戦しまくった分、ひとのマッピングの話を聞くのが
とても楽しかった。みなさん、本について、熱く渋く語る。
おそらく話している本人自身も自分の話を新鮮に感じながら、
いきいきと話していたので、それはそれは楽しいひととき。


出てきた二軸。
「海外/国内」×「趣味/ビジネス」
「オーストラリア・英国/中国」×「実用/娯楽」
「ノンフィクション/フィクション」×「難/易」
「ビジネス/娯楽」×「アナログ/電子・デジタル」
「外食/内食」×「大人数/少人数」
「文系/理系」×「専門書/一般書」
「人/システム」×「大規模/小規模」
「空間/時間」×「効率/楽しむ」
「あとから・いますぐ」×「年寄り/若い」
「紙/紙以外」×「ブーム・売れてる/売れない」


「domestic / global」という軸も出た。
みなさん、どういう順番で、軸の組み合わせを考えたのじゃろ。
ちなみにあたしのは、上には含まれておりませぬ。
「身体/思考」×「言葉/写真・絵」
「対話/ひとり語り」×「運動/静止」
「フィクション/ノンフィクション」×「向上心/ダメ」


これから読みたい本より、これまで読んだ本が出てきてしまう。
まあ、これはこれでいいのかな、と思う。というか、
自分のホームグラウンドを考えるときに、これまでを振り返る、
というのは、てっとりばやい作戦のひとつじゃないかしら。


ある行為を繰り返すことによって、その行為にも、
何かしらの傾向が見えてくる、といった解説を最近、
ときどき目にする。その「傾向」というのを精査すれば、
ホームグラウンドって、案外、すでに出来てたりするのかな、と。


とはいえ、自分のマッピング見てもちっとも「傾向」が
分からなかったので、小山さんが何か言いかけたのにかぶせて、
「この図で、何か傾向出てますか?」と尋ねてしまった。
小山さんをはじめ、何人かに言っていただいたのが、
「身体」。言われてみれば、そうかもしれない。
こうして振り返ってみるだに、ボクにとって今回のセミナー、
関心のある「身体」をキーワードに据えたど真ん中の読書論だったのかも。


もう一つ、僕は周りの環境に影響されることが多いかも、
と言ってもらった。「そういう人は、環境に気を使って、
場所にこだわるといいかも。変化してしまうことを割り切って」
ノマドでしょうか。


参加者のみなさんと名刺を交換して、解散。
同窓会、できるといいですね、みなさん。


読んでみたくなった本。
ドラッカーの、いろいろ。
大井玄『「痴呆老人」は何を見ているか (新潮新書)』(新潮社)


読了。
山名宏和『アイデアを盗む技術 (幻冬舎新書)』(幻冬舎新書

「グルーピング」という手法を使うためには、ただ数を集めるだけでは不十分。そこに「対比」や「共鳴」の効果を意識することが大切です。(p.148)


なにを組み合わせるかを先に考えるのではなく、まず新しいフレームを考えてから、その後で中に入れる具を考える。組み合わせの妙で勝負しようとするならば、このやり方はとても役立つと思います。(p.153)


「カーナビだけが知っている讃岐うどんツアー」(p.157)


小泉今日子さんがクイズを出す、JR東日本のCMは時代を先取りしていました。(p.166)


うどんツアーについては、レンタカーの新たなサービスとして
提案されてました。レンタカーのアイデア公募はこちら。
「レンタカー利用の未来アイディアコンテスト」
http://www.sendenkaigi.com/rentacar/

*1:Life Hacking Life (原尻淳一ブログ) :http://d.hatena.ne.jp/Juichi_Harajiri/