ボブへの手紙を書く前に

ボブに英語でメールを書こうと思って、
けれどいざ「英作文」に取りかかろうとすると、
「何でも形から入る私」(@世田谷ピンポンズ)は、
「英語で手紙を書いてみよう」とか「英文メールの書き方」みたいな本を探しては、
いまいちピンとこないので先に進めないでいた。


和英辞典か、なんなら英和辞典があれば書きはじめられそうな気もしているが、
図書館で外山滋比古『英語辞書の使いかた』(岩波ジュニア新書)なぞを借りてきてしまった。
そしてふと自宅本棚に、浜野実『英語辞書を使いこなそう』(岩波ジュニア新書)を発見する。
これでいいじゃないか。


そしてまたその隣に、片岡義男『英語で言うとはこういうこと』(角川oneテーマ)が並んでいた。
既読の書だが、久しぶりにまえがきに目を走らせると、まさに求めていた本のような気がしてきた。
「英語」の勉強がしたいわけではなく、ただ誰かに英語で話しかけたいだけなのだ。
何か、「英語で話しかけることとはなになのか」というシンプルな部分に、
着目してことばで表してくれる文章を読みたいと思った。それこそ義男。


英語のフレーズ集みたいのを買ってきて、言いたいことに近い言い回しのものを、
少し単語を入れ替えて「作文」すればいいのだけれど、せっかくだから、
片岡義男の本を読んで、英語で言うことを少し、頭になじませてみたい。


休みのとも。
片岡義男英語で言うとはこういうこと (角川oneテーマ21)』(角川書店

要約した意味を、端的で明示的な、しかも正しい英語へと、移し換える。その作業を遂行するためには、英語の知識よりも先に、日本語の能力が問われる。(p.4)


夜、また少し時間ができて、部屋から単行本を持ってくる。


「果たして、書店は文系モラトリアムのための居心地のよい居場所であった」(p.180)
ぐわー!ココロの中で絶叫。果たして、あたしの文系モラトリアムは、
きちんと終わらせることができたのか。川人寧幸「気楽な裏方仕事」面白い。


休みのとも。
本を贈る』(三輪舎)

かつてあったものが無い状態に長くいると、それがかつてあったということ自体、想像するのは難しくなる。(p.187)


多くの人には荒野に見えても、いたるところに小さな泉が湧き無数の踏み分け道が交差する豊かな土地に私には思えた。(p.194)