花びらのことで何か忘れていませんか

ゆうべ用意した、ちくま文庫30周年プレゼントのはがきをかばんに入れ、
妻子と連れ立って花見散歩に出かけた。佐保川沿いには屋台も出ていて、
小学生くらいの男の子がほれぼれするほどみごとな呼び込みをしている。
JRが桜の中を駆けていく様子は、すてきだった。
しかし、いささか歩きすぎた。


公園で遊んだりもして、かなり時間をかけて帰宅。
ポストの前を通らなかったので、はがきは投函できず。


花びらを、一枚も拾わなかった。
きよ子とその家族を、思い出すこともなかった。
そのことに後で気づいて、苦い気持ちになった。