再会と談笑と素敵な父と。

ジャージの二人 (集英社文庫)


待ち合わせ。文庫本を読んで待つ。
俵万智の短歌を思い出したりしながら、待つ。
待ってたら、視界の端でこちらを窺う人影。
本屋さんだったころの、同僚。ぐーぜーん。
心あたたまって、再びページに目を落とす。
目を落としてすぐに、目をあげる。
なんとなく、行き交う人波を見る。


知り合いの出版営業の方に誘っていただいて、
版元さん、取次さん、元書店員(おれ)などの、
飲み会。いやー、書店員魂が、刺激されまくり。
ううー。まあ、遠くから応援するしかないけれども。
いや、欲しい本を買う、っていう手はあるけれども。
なんちゅうか、この熱い思いを、本屋さんに、
届けたいなぁ。

本のことを熱心に話せる場に触れて、自分の中に消え残っている書店員魂を確認できました。ほんとに先細りの未来かもですが、せめて僕が本を読めるうちはリアル書店に輝いていて欲しいです。遠くから応援しております。ぜひまたお誘いください。書店員魂が残っているうちに。


車中のとも。
長嶋有ジャージの二人 (集英社文庫)』(集英社
再読、昨日の風呂から読み直し。
何度も、笑い声をこらえる。いいなぁ、この小説。

永久の愛なんてあり得ないということは既に思い知っているけど、永久が八十年もあるからつまづくのであって、八十年じゃなくて十年ぐらいの永久の愛なら、誓えるかもしれない。滑り込みセーフかもしれない。


ユーモアですよ、その割合に好き嫌いはあるかもしれませんが、
なしでは無理だよ。そして、長嶋有の、といってもこれしか知らぬが、
この塩梅が、ありがたい。あ、ブルボン小林ってのも読んだな。
そのユーモアと一緒に飲み込めば、人生に対する思いも、
照れずに味わえるってものですよ。


しかし、いい父子だなぁ。
父ちゃん、俺たちも、また山に行こうや。