今日もあらゆる本のなかを
寒い。
ダウン初登板。
すごい霧だ。
雨は降っていないから、傘は持たずにゆく。
小走りで、いつもの電車にすべりこむ。
窓から見える霧と揺れるススキのようなかげ、
ぜんぜん違う世界に迷い込んでしまった気分。
送品表から、今日はTLに足をとられてしまったけれど、
鶴橋に着く前に、若菜さんの文章へと立ち戻る。
車中のとも。
若菜晃子『街と山のあいだ』(アノニマ・スタジオ)
乗換え駅で温かいミルクティー。
親の老いや先に往く人の話が刺さる年になっていることを、思い知る。
「低山の魅力」も良かった。最後の段落、「山」に「本」を代入できる。
本当に山が好きな人は、その山が高かろうが低かろうが、有名であろうが無名であろうが、それぞれにその山のよさがわかる。そしてそれぞれにその山と相対する。それが真の山好きというものだ。そうした人たちが、今日もあらゆる山のなかをひっそりと歩いている。(p.160)
TLに、晴れ間を寿ぐひとたちのことばが連なる。
東京で、むつみんがせっせと洗濯物を干している。
素晴らしきかな、日光。うちは残念ながら、部屋干し。
ズボンの裾が擦り切れたので、西大寺でユニクロに寄る。
裾上げを待つ間、本屋さんをのぞく。なんて嬉しい配置。
購入。ジュンク堂書店奈良店。
飯間浩明『小説の言葉尻をとらえてみた (光文社新書)』(光文社)
なかなか見つからず、検索機の世話になる。
在庫7冊の表示。おお、ここにはあったか。
それにしても、他の店になさすぎだよなぁ。
取り上げられている小説、未読のものがほとんどだったけど、
ネタバレされても、まぁ、読まないかもな、っていうのが多かったのと、
それほど深刻なネタバレはなさそうかもな、という印象だったので、
買うことにしました。方言についての推理・考察とか、面白そう。
気になる新刊。
坂口安吾、近藤ようこ『夜長姫と耳男 (岩波現代文庫)』(岩波書店)
坂口安吾、近藤ようこ『桜の森の満開の下 (岩波現代文庫)』(岩波書店)
ゆうべ、夜中に起きた長女がすごく泣いた。
だからというわけでもないが、新しい箸を買って帰った。
保育園に持っていくはしばこには、長すぎて入らなかった。
今は穏やかに微笑む娘の体を、意味もなく抱きしめてみたり。
鞄に入りっぱなしだった『ブックレットホン2号』*1を部屋に戻すとき、
パラパラと、すべてのページに目を走らせたが、いいのなー、やっぱり。なんというか、
こういうリトルプレス、もちろん僕の知っているのはわずかだけれども、
そのなかでも、抜群に明るい印象。写真もいいし、文章というか、
世界に対峙する立ちかたが好きです。