季節の先取りと消滅

Number PLUS リオ五輪永久保存版 東京へと続く物語。 (Sports Graphic Number PLUS(スポーツ・グラフィック ナンバー プラス))


肌寒さを感じて、
嬉々として一枚はおって出かける。
暑さから涼しさへのジェットコースターは、
毎年のことなのか、年齢による関心の変化なのか。
父も35年前に感じた驚きなのか。


店に着くと、書籍段ボールの中に、
カレンダーのが混じっているのに気づく。
そうか、今年もあと3か月しかないか、
と思ってしばし、妙な気分になる。
いや、あと4か月でしたわ。


季節の先取りを毎年繰り返していても、
その先取り感が自分にとっての「季節感」とはならないらしい。
カレンダーが来たから「9月だな」とはならない。
ただ、とにかく、季節が猛スピードで進んでいる、
というのを思うだけだ。台風の日に、
窓から外を眺めているような気分だ。


季節は、部屋の中にいても、ぼくをどこかへ押し流してしまうのだけれど。


気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
星新一きまぐれ星からの伝言 (文芸書)』(徳間書店
Number PLUS リオ五輪永久保存版 東京へと続く物語。 (Sports Graphic Number PLUS(スポーツ・グラフィック ナンバー プラス))』(文藝春秋
さかなクンさかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~』(講談社


『Number PLUS リオ五輪永久保存版』あまりの配本の少なさに、
すぐ版元に電話したが、在庫が13冊しかないらしく、店分の追加は断られた。
よく知らないのだけれど、リオってすごくたくさん金メダル取ったんじゃないんですか?
心細げに面陳されている表紙でにこやかに笑う卓球少女たちを眺めて、少なくともこの売り場においては、
オリンピックは滅びたようだ、と思った。東京へと続く物語も一緒にどこかへ消え失せたようだ、と思った。