布団の上で五号室

休みのとも。
長嶋有三の隣は五号室』(中央公論新社


尻上がりに面白い。敷いたままの布団にうつ伏せになって読みふける。
起き上がってふと、乳児が遊んだまま転がっていた体温計に気づく。
無駄に計ってみようかと思ったり。(計らないけどね)
布団が敷きっぱなしなことで誰かに叱られるような気になる。
それも長嶋有の小説を読むのにふさわしい気がして、さらに読み続けた。


読了。
長嶋有三の隣は五号室』(中央公論新社


すごく良かった。こうなるかもな、という予想は少し外れて、
でも少し当たっていて、声をあげて笑いもしたし、泣くことはなかったけど、
「問いのない答え」*1に似た話の繋ぎかた、転がりかたではあるものの、
部屋という空間が軸になっていることで、吸引力が強烈になっている。
とにかく、すごく良かった。


お迎えの時間が来ていた。
どこかに出かけようとも思ってたはずだけど、
そんなことはもう、どうでもいい。いい休日だった。


すごく良かった本を読み終えて、「さて、次は!」という気持ちと、
「しばらくは何も読まずにじっとしていたい」という気持ちと、
両方抱えて、お迎えに行く。