疲労と本とに囲まれて

石の花(1)侵攻編 (講談社漫画文庫)


一番目の候補の電車を諦めると、
少し余裕が生まれて、お弁当も持って、
明るい道を駅へと向かう。


車中のとも。行き。
子どもと本 (岩波新書)』(岩波書店

ときには、自分が語っていながら、物語と聞き手の子どもが、語り手のわたしの知らないところで交流しているように感じることさえあります。(p.146)


忙しさに少しずつ肺がしぼんでゆく。
ふと、ミシマ社の段ボール箱に気づく。
えーと、最近、何か入荷の予定があったぞ、
えーっと、あっ!もしかして、あれか!


気になる新刊。
ミシマ社編『THE BOOKS green 365人の本屋さんが中高生に心から推す「この一冊」』(ミシマ社)


『THE BOOKS green』を買って帰りたかったが、
微妙に、レジに列が。同僚を煩わせるのも嫌だし、
なんというか、早く帰りたくて、今日は断念。


疲れ切って、館の外へ出るとまだ明るい。
なにがしかでエネルギーをチャージしたく、
温かい缶紅茶を買ってみたりしたが足りない。
少しだけ早くあがれたし、久しぶりにブックオフ行くか。


新書、文庫の108円を流す。
コミック文庫も見る。えーと、『石の花』の著者は、
なんて名前だっけか。携帯開いて調べるのもおっくうだ。
疲れているなぁ。何も買えないと、くたびれもうけだなぁ。


・・・あれ?これが『石の花』ではないのか?
1から5まである。全何巻だっけ、5巻の最後をチェック。
「完」の文字を確認する。これで、揃ったってことか?
108円で?小躍りする元気はないが、じんわり嬉しい。
嬉しついでに、『沈黙の艦隊』まで買ってしまう。
高校生のころ、教室で回し読みされていた。


購入。ブックオフジェイアール鶴橋駅店。
坂口尚石の花(1)侵攻編 (講談社漫画文庫)』(講談社
坂口尚石の花(2)抵抗編 (講談社漫画文庫)』(講談社
坂口尚石の花(3)内乱編 (講談社漫画文庫)』(講談社
坂口尚石の花(4)激戦編 (講談社漫画文庫)』(講談社
坂口尚石の花(5)解放編 (講談社漫画文庫)』(講談社
かわぐちかいじ沈黙の艦隊(3) (講談社漫画文庫)』(講談社


『石の花』は、『次の本へ』*1で、
すがやみつる氏が紹介していたもので、ツイッターでコメントいただき、
強烈に気になっていたもの*2。どうも品切れっぽくて、ネット書店の在庫を、
ちろちろうかがっていたのだけれど、まさか、店頭で出会えるとは。
読むのが楽しみだ。


車中のとも。
子どもと本 (岩波新書)』(岩波書店

読者と関係なく、はじめからよい本があるのではなく、ひとりの読者がある本に出会って、それがなんらかのよい結果を生んだとき、その本は、その人にとって、『よい本』になるのだと思います。(p.161)


疲労が蓄積している。まぁ、でも、いいよ。
生きてるし、働いてるし。嬉しい入荷もあったし。
食って寝て、回復して、誰かに愚痴を聞いてもらって、
なるべく機嫌よく、できることを少しずつ。


お預かりした本たちを、誰かに渡すお手伝い。
お預かりした「本屋さん」という楽園を、
次の世代に渡すお手伝い。

*1:次の本へ』(苦楽堂)

*2:『冬の本』へ:http://d.hatena.ne.jp/tori810/20150104