鬼福同人、親子連綿

洋子さんの本棚


自分ひとりしかいない事務所の電話が鳴ると、
緊張する。お子さんが発熱してお休みしたい、
とのスタッフからの電話。幸い、雑誌の入荷も少なく、
なんとか、しのいで午後へとつなぐ。


後藤健二さんの本を注文してくだすったお客さんと、
「私たちは、私たちにできることをするしかないですから」
というところで一致する。私は、本屋さんを、します。


車中のとも。
小川洋子平松洋子洋子さんの本棚』(集英社


父親と息子の話も出てきた。女性にとっては、当事者たりえない関係。
僕が、母娘関係を覗いているのと、対照の関係。


小川さんと平松さんの、それぞれの「母親としての宝物エピソード」、
よい。平松さんの号泣には、こちらも熱くなる。


たまたま自分には子どもがいて、
自分の親のことを考えたり子どものことを考えたり、
そういうどちらの方向にも、まぁ、いちおう自分のこととして、
想像できるところに立っているというのは、幸せなことだな、
と思う。まったく想像を絶する架空のお話も面白いだろうけど、
僕は、自分の身の周りのところから考える方が、すっと行く。


オースターの『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』*1気になる。
人質の朗読会*2も気になる。もっと読んでいたいのに、奈良に着いてしまう。


帰宅すると、娘が「豆をまこう、豆をまこう」と言ってくる。
こないだ作った鬼のお面は保育園に置いたままらしく、
指で角を作って、30秒ほどの鬼たいじ。
あまり怖くしないでくれ、との要望通り。
いったんドアを出て、福の顔をして戻ってみた。


鬼も、福も、おなじ人。


娘を寝かしつけたあとで、くっくっと読み干してしまう。


読了。
小川洋子平松洋子洋子さんの本棚』(集英社


「巻末附録>人生問答」では、食べ物の話もたくさん出てきた。
さすがの平松さん、美味しそうな話がどんどん出てくる。
声に出して笑ってしまうような箇所もあちこちにあって、
本の話とは別の、洋子さんたちの魅力があふれている。