OSKという酒場

扉守―潮ノ道の旅人 (文春文庫)


今日は、OSKに初参戦。
出がけに、選んでおいた一冊を、
慌てて鞄に放り込んだ。
粛々と任務を遂行し、
退勤後、梅田に向かう。


ビッグマン前に集合、ビッグマン?
朝のうちにネットで検索したものの、
ぜんぜん頭に入っていなかったので、
改札を出て、地図を眺める。わからない。
案内所のようなものがあったので、
お姉さんに聞いてみる。ははぁ。


言われたとおりに、阪急梅田駅に向かって歩く。
人がたくさんいる。比較的、ゆっくり歩いている人の後ろを歩く。
後ろから、何人もの人にぶつかられる。ぶつからないでほしい。
見覚えのあるところに出た。こないだ、長谷川書店へ行ったときに、
通った道だ。教わった通りに、1階へ降りる。きょろきょろすれば、
紀伊國屋書店の入り口が見つかった。大きなスクリーンを見つけるのには、
まだ少し時間がかかった。集合時間にはまだ少し間があったので、
紀伊國屋書店に突撃。人が多い。『東京人』を探したが、
見つからなかった。人がいっぱい。


そろそろ時間というので、再び、店の外に出る。
さっきより人が増えているようだ。なんとなく、
それらしき集団に目をこらしてみるが、確証はない。
ツイッターを確認する。黄色いストール?
なんだかこのまま帰ってしまいたくなる。


ショータロウさんの姿を発見し、意を決して飛び込む。
あちこちで名刺交換の波がざっぱんざっぱんしていて、
じぶんの社会人マナーの低さにげんなりする。
(なぜ自分に読める向きで名刺を渡す!)


お店に移動し、18人の大所帯。
再び巻き起こる名刺交換のさざ波に揺られながら、
それでも無礼で無精なわたしは尻に根を生やしたまま、
周りの方々の、積極的に席を立って挨拶する様子や、
応援している本、自著を熱心に薦める様子や、
空いているお皿に料理をよそう姿に、
ただただ恐縮するばかりであった。


やがて文庫交換会が始まった。
まず、数字のふられた紙が配られて、
それぞれの持ってきた文庫に挟む。
次に数字の書いてある紙を今度は自分の番号として、
くじを引くようにまわしていく。この時点で、
自分の持参した文庫の番号と、自分のもらう文庫の番号が
かぶっていたら申告する。(←それは、ぼくでした)
続いて、四隅の人がじゃんけんして順番が決まり、ひとりずつ、
文庫の紹介をする。全員の紹介が終わった後、それぞれの文庫の番号を発表し、
あたった人が受け取っていく。


本の内容を紹介するのはもちろん、
読んでいるときの感覚を説明したり、
著者に対する熱い思いが吐露されたり、
人それぞれの紹介の仕方があって、
とても楽しい時間であった。


ぼくはといえば、なぜか所蔵本を持参しなくてはいけないと思っていて、
ケストナーの『飛ぶ教室』を持ってきたのだが、他のひとの様子を見ていると、
なんかみなさん、新しく購入して持ってきているようじゃありませんか。
・・・そうか、そうだよな。ぼく、むき身だし、自分で読んだ本だし、
そもそも、とほんさんで買った古本だし、どうしよどうしよどうしよ、
という嘆き節が、肩甲骨のあたりでリズムを刻んでいたのだけれど、
皆さんの紹介が面白かったし、アルコールも入っていて気が大きくなっていたので、
わざわざとほんさんの名前まで出して言い訳しいしい、紹介。スナガワさん、ごめんなさい、
紀伊國屋で、『ディスカヴァー』*1に紹介されている箇所、見つけましたよ。


以下、紹介された本。(一冊は、かぶっていたので、17冊)


吉村昭味を追う旅 (河出文庫)』(河出書房新社)、
角幡唯介アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極 (集英社文庫)』(集英社)、
エリック・マコーマック増田まもるパラダイス・モーテル (創元ライブラリ)』(東京創元社
津村節子土恋 (ちくま文庫)』(筑摩書房)、
辻村深月名前探しの放課後(上) (講談社文庫)』(講談社)、


国分拓『ヤノマミ (新潮文庫)』(新潮社)、
土屋賢二われ笑う、ゆえにわれあり (文春文庫)』(文藝春秋
野崎まど『2 (メディアワークス文庫)』(KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
菅野彰、立花実枝子『あなたの町の生きてるか死んでるかわからない店探訪します (ウィングス文庫)』(新書館


ピエール・ルメートル、橘明美その女アレックス (文春文庫)』(文藝春秋
森絵都ショート・トリップ (集英社文庫)』(集英社
石田衣良キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇 (文春文庫)』(文藝春秋)、
エーリッヒ・ケストナー、山口四郎『飛ぶ教室 (講談社文庫)』(講談社


井沢元彦逆説の日本史10 戦国覇王編(小学館文庫): 戦国覇王編 天下布武と信長の謎』(小学館)、
藤野恵美わたしの恋人 (角川文庫)』(KADOKAWA/角川書店)、
松下むめの難儀もまた楽し (PHP文庫)』(PHP研究所)、
光原百合扉守―潮ノ道の旅人 (文春文庫)』(文藝春秋)、


ぼくには、ショウタロウさんの紹介した『扉守』があたりました。
ありがとうございます!これ読んで、尾道に行ってきます!


   今日はもう人数多いし、初めてだし、近くにいる方とお話しできたらいいや、と、
   開き直ってのぞんだのはいいが、挨拶ぐらいはできたんじゃねぇのか、と、
   こうして文章をつづりながら、後ろめたい気持ちがそよそよしている。
   またの機会が巡ってくることを、祈っております。