それぞれの荒波へ船出

わずかにできた時間を盗んで、
海文堂書店に顔を出した。棚をじっくり見たい気持ちを抑え、
絵図を探す。見つからない。「ほんまに」が復活している。
善行さんの号を探す。焦っているからか、見つからない。
あった。vol.15のチラシも貰った。非カリスマ書店員座談会も、
気になって手にとってしまった。レジ周りで、ようやく、
絵図を発見した。さ、お別れは、先週済ませたはずだろ?


購入。
青山大介『海文堂書店絵図 1914-2013』(くとうてん)
海文堂書店『ほんまに vol.10』(シースペース)
海文堂書店『ほんまに vol.11』(くとうてん)


非カリスマ書店員座談会「10年後も本屋でメシが食えるのか」。
冒頭、北村知之さんのことばは、こう始まる。2010年、3年前だ。

「一〇年後も本屋でメシが食えるのか」が今回のテーマですが、一〇年という期間に特別な意味はなくて、五年でもいいし、なんなら三年ぐらいが適当かもしれない。(p.3)


3年後、海文堂書店、閉店。


店を出て、急いで現場へ戻らなければならない僕に、
新聞記者が話しかける。話題が話題だから、ついつい、
相手をしてしまうが、上ずった自分の声が、腹立たしい。
どうせ、自分の思いとずれた声が載るんだろう、と思えば、
ふさわしい声音かもしれない。名前は載せないでくれ、
と頼んだ。頼まなきゃ、載るところだったらしい。
なんか、おかしくないですか、それ。


海文堂書店のスタッフさんたちが、
次の店でどう働いていくのか、その魂を、
どうつないでいくのか、期待したい。