書店でゆっくり、電車でゆっくり

「処方せん」的読書術  心を強くする読み方、選び方、使い方 (oneテーマ21)


夜中に雪が降ったみたいで、窓の外の空き地は、
白くなっていた。それでも寒さはいつも通りで、
ことさら耐え難いわけではなかった。少しだけ慎重に、
けれども小走りで駅へと急ぐ。


車窓から見える平城宮跡の辺りも白くなっていた。
西大寺で席が空いたので、座って本を読む。


読了。
奥野宣之『「処方せん」的読書術 心を強くする読み方、選び方、使い方 (oneテーマ21)』(角川書店(角川グループパブリッシング)

 とくに冬は、コートの内ポケットに入れた愛読書の重さや硬さを感じながら街を歩き、暖かい地下鉄や駅の待合室でちょこちょこ開いて読むことができる。(p.183)


まさに『冬の本』*1にうってつけですな。
わたしならここに、「愛読書の温かさ」をつけくわえたい。

 書店に求められる機能は、「本を買う」だけではありません。
 お店に入ったときのほっとするような感覚、ずっと居られるような落ち着きのある空気、少し歩きまわるだけで、さまざまなジャンルの棚を短時間で見ることができる規模は、小さい書店ならではでしょう。「本を買いに行く」のではなく、カフェや雑貨店のように「そこで過ごす時間を味わいに行く」という書店を持っておくのは、心の余裕を保つためにも大事なことです。(p.187)


そういう空間を用意して、あなたをお迎えしたい。


「あえて遅い交通手段を使う」ことのすすめもあり。
18きっぷ蟲文庫さんを訪ねることを夢想したり。
ああ、ステキな想像だ。ふわりと元気が出てきた。
途中下車で海文堂にも立ち寄りたいところだ。


車中のとも。
山田稔旅のなかの旅 (白水uブックス―エッセイの小径)』(白水社


気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
ビートたけしラジオ北野 (新潮文庫)』(新潮社)
中村文則悪意の手記 (新潮文庫)』(新潮社)
多田富雄残夢整理―昭和の青春 (新潮文庫)』(新潮社)

*1:冬の本』(夏葉社)