いつかのスリル
今月は、日曜の出勤が多かった。今日も出勤。
納品がないけれど、レジにたくさん入るので、
わりと忙しい気分になる。せっせと本を渡す。
気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
石井洋二郎『告白的読書論 (中公文庫)』(中央公論新社)
正宗白鳥『文壇五十年 (中公文庫)』(中央公論新社)
車中のとも。
山田稔『旅のなかの旅 (白水uブックス―エッセイの小径)』(白水社)
それにしても、どうしてこんなにもトラブルに?
まるで僕の代わりに不幸を背負ってくれているようで、
頼もしいような気持ちで読み進めていく。でも、
胸が冷たくなるようなスリルも味わっている。
彼の身に起こる不幸は、僕の代わりではないのだ。
いつか僕の身にも起こり得る不幸なのだ。
西も東も判らぬこのアフリカの田舎町に到着早々一人投げ出され、わたしは突如、泣き出したいほどの無力感に襲われて叫んだ。
「助けてくれ」
(p.132)
読了。
向井敏『傑作の条件 (文春文庫)』(文藝春秋)