本に温められて

冬の本


2012年、最後の日曜日は、出勤。
夕べは妻の実家に泊めてもらって、
同じく仕事おさめの妻と一緒に出かけた。
遅番なので、だいぶ余裕がある。


今日は雨が降っている。濡れないように、
『冬の本』はコートの内ポケットに入れる。
入らないかな、とも思ったが、なんとか入った。
帯は外しているし、カバーはもともとついてないので、
破く心配はない。


駅のホームで電車を待っているとき、なんとなく、
本の入っている右胸のあたりが温かいような気がした。
ホントかな、と思って胸のあたりに意識を集中してみる。
やはり温かい気がする。この冬の間はずっと、
ここに入れておこうかしら、などと考える。


ピストルで撃たれたときに『冬の本』に助けられた、
ということにはたぶんならない。
右胸のほうのポケットだし。


車中のとも。
冬の本』(夏葉社)


松浦寿輝の文章を読む。
松浦自身の『冬の本』について書かれてある。
しばらく前に勤め先のパソコンで検索したとき、
夏葉社のでなくこちらの本しかヒットしなくて、
「あぁ、タイトルかぶってる本があるのだな」と、
何故か後ろめたい気持ちになったのを思い出した。


そうかー、折り込み済みだったのか。
あんしん。


勤務先の近くのミスドで勤務開始まで滞在。
帰りの電車で読む本がなくなるといけないので、
のこり少なくなった『冬の本』は開かずに、
ノートに思いつきを書いて過ごす。


こういう時間は、ひさしぶりだなぁ。
ホットカフェオレを何杯もおかわりしてしまう。


今日は、堀部篤史から山田太一まで。
読み終わらなかった。