ただ座ってみる

休み明け、遅番。
妻が出かけた後、娘をおぶって皿を洗ってみた。
娘は、寝た。出勤までまだ時間があったが、
なんとなく、本は読まず、ただ座っていた。


ちょっといい気分だった。


車中のとも。行き。
築山節『脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)』(日本放送出版協会


車中のとも。帰り。
堀部篤史本を開いて、あの頃へ』(mille books)


改めて、いい本ですね、これ。

 本や、それを読むという行為は他の何かと交換可能なものではない。検索して情報を知る以上の楽しみがそこにはあるということを自分自身の読書体験をもとに証明したかった。少なくとも読書やレコード蒐集の楽しみを知るものとして、振り返って気づく前にこの変化の流れに一石を投じたい。それを意識してから僕の読書はノスタルジーに取り憑かれた。何を読んでも何かを思い出し、本は次の本を呼んだ。インターネットがなかった頃の風景、失われゆく雑誌への郷愁、小さなお店への偏愛。古いメディアである本自体がそのようなノスタルジーを語りかけてくるのである。新しいものと古いもの、その両方に寛容でいたつもりが、いつの間にか駆逐される側に立って奮闘していたわけだ。
 本の内容だけではなく、読むことへの偏愛、読書そのものについての感想文、僕なりの本の読み方について綴ったのが、ここにおさめられた24本の読書エッセイだ。本を読むという行為だけは懐かしいものにしたくない。感傷的だと笑われるかもしれないが、そんな思いがこの本の至る所に込められている。(p.5)


読書体験、というのも、もちろんすてきなことだが、
本屋体験、というのも、とてもすてきなことだ。
堀部さんの、恵文社一乗寺店は、すばらしい本屋さんだが、
ひとそれぞれ、そのときどきの、すばらしい本屋体験が、
ある。


あるはずだ。


本屋さんに行くという行為だけは懐かしいものにしたくない。


気になる既刊。
熊谷徹『なぜメルケルは「転向」したのか』(日経BP社)


読了。ゆうべ。
谷川浩司河合隼雄「あるがまま」を受け入れる技術 (PHP文庫 か 1-2)』(PHP研究所