買わずとも読め

額田駅あたりからの、車窓から見下ろす風景が
すごすぎる。夜景もいいけど、朝の光に輝く町も美しい。
この景色を見下ろして、甘いミルクティーを飲みたいなぁ。
どこかにいいカフェ、ありませんかね。


車中のとも。
野坂昭如エロ事師たち (新潮文庫)』(新潮社)


関西弁で語られている。関西に移ってきた甲斐があったって
もんじゃないですか、この本を臨場感を持って読むために。
やたらと口調が七五調というか、なんかリズミカルである。


エロ写真やエロ映画などを斡旋する「エロ事師」が主人公、
基本的にエロいことにまつわる話題が続くのであるが、
ふいと、空襲で焼かれた母親の様子が語られたりして、
油断ならない。

翌日、まだうっかりすると燃えつきそうに熱い焼跡を、警防団が母を掘り出したが、幾枚かけたか覚えのない布団の、下二枚は焦げ目もなく、そして最後にお母ちゃんがあらわれた。全身うすい焦茶色となり、髪の毛だけが妙に水々しく、苦悶の色はみえなかった。(p.13)


気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
道浦母都子、金斗鉉『ふるさと60年 (日本傑作絵本シリーズ)』(福音館書店
川上ユキ『収め、納める。 (すっきり片づく、きれいが続く収納)』(世界文化社
椎名誠大きな約束 (集英社文庫)』(集英社
穂村弘東直子沢田康彦ひとりの夜を短歌とあそぼう (角川ソフィア文庫)』(角川学芸出版
長嶋有ねたあとに (朝日文庫)』(朝日新聞出版)
西川長夫『パリ五月革命 私論?転換点としての68年 (平凡社新書595)』(平凡社
築山節『脳が冴える勉強法 覚醒を高め、思考を整える (NHK出版新書)』(NHK出版)
鷲田清一語りきれないこと 危機と傷みの哲学 (角川oneテーマ21)』(角川学芸出版
広瀬隆第二のフクシマ、日本滅亡 (朝日新書)』(朝日新聞出版)
外岡秀俊震災と原発 国家の過ち 文学で読み解く「3・11」 (朝日新書)』(朝日新聞出版)
磯淵猛『世界の紅茶 400年の歴史と未来 (朝日新書)』(朝日新聞出版)
赤星憲広一瞬の判断力 ?ピンチをチャンスに変える53の法則?』(宝島社)
山崎麻里子『旅カメラPENとノスタルジック写真 ?フォトグラファーが教えるアートフィルター撮影テクニック (Books for Art and Photography)』(技術評論社
クレイトン・クリステンセン、ジェフリー・ダイアー、ハル・グレガーセン、櫻井祐子『イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル (Harvard Business School Press)』(翔泳社
徹底解析!!最新鉄道ビジネス (洋泉社MOOK)』(洋泉社


手当たり次第に買う余裕はない。財政的にも、
棚のスペース的にも。なんというか、「お、それを買いましたか」
という誉れが欲しくて買おうとしてるんじゃないかという気もして、
そういう自分の見栄っ張りなとこに嫌気が差す。


全部は買えないからせめてここに記して、
「お、それが気になりましたか」という誉れをもとむ。
買おうが買うまいが、借りるなりなんなりしてそれを読み、
それをいい感じにここに報告して、「お、それを読みましたか」
「私も読んでみたくなりました」というところにたどり着ければ、
一番、いいんじゃないでしょうか。


お金にも場所にも余裕があれば、そら、買うのがよろし。
余裕がないならば、買えない。買えないとしても、
なんとかして、読むところにこぎつけたい。
さもなくば、ただ、本を右に左に移動するだけの作業員。


読了。
松岡正剛多読術 (ちくまプリマー新書)』(筑摩書房