田中美穂の、ですますユーモラス

わたしの小さな古本屋?倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間


ゆうべは、珍しくテレビを見た。
ツイッターで知った、「アメトーーク」の、
読書芸人の放送。ところが、23:15になっても、
ぜんぜん放送する気配がない、というか、
テレ朝って、なんちゃんねる?


・・・関西では、0:30からの放送でした。
翌日早番だったので見るのよそうと思ったのだが、
光浦の本棚をちらっと見たら、消せなくなって、
そのまま妻子とともに最後まで見てしまった。
めったにつけないテレビがついていて、
娘も興奮してしまったのか、すまぬ。


でも、とても面白かった。ピースというコンビの、
又吉さんという人がなかなかに共感できるおひとであった。
ピース又吉」という芸名なんだと思っていた。
読書に没頭してくるとのめりこんでしまう、
という状態の描写がものすごく面白かった。
(あたまの上でページをめくるやつ)


読了。
田中美穂わたしの小さな古本屋?倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間』(洋泉社


とてもとても面白かった。

ヒマなので、今日はもういいかと思い、引き戸を閉めて電気を消したら、まだなかにお客さんがいて、お互いに焦りました。(p.151)


笑いがこみあげてくる。コンディションによっては、
ぶっと吹き出しかねない。あわわわ、と感情移入して
焦った気持ちになるかもしれない。短い文章のなかに、
隙がたくさんある。ですます調で優しく語りかける文章で、
すっとんきょうなことがビシバシ放たれている。
コンディションによっては、ゲラが発動してしまい、
笑い死にしかねないほどのユーモアが含まれている。


かと思いきや、「文学全集一掃顛末記」のように、
じんわりとするようなエピソードを差し出してくれる。
笑いあり、涙あり、蘚苔類あり。すばらしい。


苔の本*1も、ちょっと読みたくなってきたかも。
でも、苔には興味ないんだよなぁ。
田中さんの文章は、けれども、
もっと読みたいなぁ。


倉敷に、飛んで行きたくなりました。ぶぶぶぶぶ。
蟲文庫http://homepage3.nifty.com/mushi-b/


気になる新刊。
ジャレド・ダイアモンド、倉骨彰『文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)』(草思社
ジャレド・ダイアモンド、倉骨彰『文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)』(草思社
山本太郎ひとり舞台 脱原発-闘う役者の真実-』(集英社
養老孟司隈研吾日本人はどう住まうべきか?』(日経BP社)
松竹いね子、ささめやゆき『ぽぽんぴ ぽんぽん (0.1.2.えほん)』(福音館書店
ジェラール=ジョルジュ・ルメール、ジャン=クロード・アミエル、矢野陽子『芸術家の家―作品の生まれる場所』(西村書店


『銃・病原菌・鉄』まさかの文庫化!
これ、気になってたんですよねぇ。文庫化かぁ。
買うか?買ってしまうのか?ベスト20入ってないですか?


購入。啓林堂書店新大宮店。
又吉直樹第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)』(幻冬舎
そっちか。ま、昨日、面白かったし。


ところで、今日は節分であった。
まったくと言っていいほど、頭にのぼらなかった。
帰宅すると、妻が恵方巻きを作ってくれていた。
黙ってかじった。食事中に沈黙がおりることなど、
わりとあるはずなのに、「しゃべっちゃだめ」という時間は、
妙に緊張感が高まって、面白い雰囲気になるね。


いろいろ書いて、散漫な印象の記事ですが、
今日はとにかく、蟲さんの本が、とてもとても面白かった、
ということを強調しておきます。終わり。