思い出させてくれた人

先生はえらい (ちくまプリマー新書)


車中のとも。
内田樹先生はえらい (ちくまプリマー新書)』(筑摩書房


『先生はえらい』を読んでいて毎度思うのだが、
「交換とサッカー」をスリリングに読み進めていって、
最後の裏サッカーの説明で割り切れない気持ちになる。
相手ゴールを自陣ゴールと呼ぶことにすれば、
表サッカーと変わらないんじゃない?
とか思ってしまったり。


得点が入ったら、フィールド中央から再開する、
というルールを採用すれば、裏サッカーでも
「無意味な足し算」は生じないのではないか。


「そういう規則だともう誰もパスをしなくなる」
という言い方は、非常にスリリングなんだけど、
そう言える為の設定がちょっと緩い気がします。
書き直してくれないかなー。(他力)


とはいえ、これだけ何度も再読しているのは、
(しかも図書館で借りてなのだが)随所に、
うーむと深く嘆息してしまうところがあるからなのだろう。
例えば、次のような。

あなたが「自分はほんとうはどういう人間なのか」を思い出したのは、あなたが「自分はほんとうはどういう人間なのか」を知ってほしい人に出会ったからです。(p.50)


思い出して、またすぐ忘れてしまうのだが、
「あの人に会って思い出したんだ」という感触は、
忘れずにいたい。そしてまたいつか、会いに行く。


(そしてまたいつか、再読する)