春樹しるべ

ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)


読了。
レイモンド・チャンドラー村上春樹ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)』(早川書房
ごちそうさまでした。


やはり、完全に忘れることはできてなかったが、
もうぜんぜん、十分に楽しんだ。そして、
訳者あとがきが長いから、まだ終わらないと思っていた厚みのとこで、
小説は終わった。だからまあ、けっこう「あ!」って感じで、
肝心の箇所に足を踏み入れることが出来た。


そして、村上春樹のあとがきを読んだら、なんとまあ、
翻訳でも原書でも、なんどもなんども読んでるってさ。
なるほど、別にあのことを忘れなくっても、再読可能。
もう一回、清水訳も読んでみようかな。


そしてなんと、このあとがきを読んで、ついに、
というか思いがけず、奇跡的に、ギャツビーへの好奇心が!
まじですか?学生時代、英語の課題で選んで英語で読んで、
というかほとんど邦訳文庫を読んで、誤魔化してしまったっけ。
そんなほろ苦い思い出、けれど間違いなくひどく退屈だったあの小説に、
好奇心を?この俺が?いまさら?振られると思うよ?


村上訳なら楽しめるかも、と思いながらも、誰だったか、
「やっぱりいまいちだったよ」という感想を聞いて怖気づいた。
しかしまあ、それは他人の感想だからね。リストに加えてしまいますか?
自分の頭でもう一度、あの退屈さを確認してみるおつもりですか?


スコット・フィッツジェラルド村上春樹、Francis Scott Fitzgerald『グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)』(中央公論新社


文学評論を読むような、眠気を誘うのはあとがきの前半部分。
後半ではときおり、ユーモラスな語りかけが顔を出して「うぉ」と思う。
朝日新聞社のメール投稿への返信本を彷彿させますね、あの距離感。
ディスクジョッキー春樹。まあ、物語自体で十分楽しんだのだけれども、
あとがきの価値も相当でしたよ、ボクにとっては。
次に読みたい一冊への力強い道しるべ。