つたない文章、つよいきもち

大好きな本 川上弘美書評集


読了。
安田佳生千円札は拾うな。』(サンマーク出版
いろんなところで紹介されているだけあって、
なかなか面白かった。線引いたし、ページも折ったよ。
「それはどうだろ?」なところもけっこうあったけど、
納得しがたい主張の合間に、ふと、「そうかも」な文章があると、
ぐわーっと深く飲み込んでしまう。まあ、血になるかはわからんが。


購入。
Coyote No.21 特集:柴田元幸が歩く、オースターの街』(スイッチパブリッシング)
川上弘美大好きな本 川上弘美書評集』(朝日新聞社出版局
林哲夫古本屋を怒らせる方法』(白水社


『大好きな本』、装丁もいい。
厚みも重みもあって、手に持ってにんまり。
読売新聞、朝日新聞での書評、文庫・全集での解説など収録。
あとがきで自分の書評のつたなさについて言及している。

(前略)ごく最初のころの、あまりにこわばった文章のものだけでも除いてしまおうかとも考えた。
けれども、それも思いとどまった。
なぜなら、どんなに下手な書評だったとしても、その本を勧めたい、という気持ちは今も書いた当時と同じくらい、強くあるから。(p.418)


荒川洋治の『夜のある町で』の書評を読む。
新聞のだから、ごく短い。すぐ読み終わる。
「言葉だって、ちょっと影響を受けている」(p.36)だって。
ちょっとじゃないよ!めちゃくちゃ荒川ふうじゃないですか。


なんて、おそらく「ごく最初のころ」の書評だから
声高につっこんでみたりして。こいつが除かれなくてよかった。