気になるドイツ、気になる写真

京都国立近代美術館へゆく。
『ドイツ写真の現在』と『アウグスト・ザンダー展』。
頭痛をおしていった甲斐があった。とてもよかった。


アンドレアス・グルスキーの、牛がやたらめったらいる写真があり、
タイトルは「香港証券取引所」なるほど、この牛が先物取引の対象、
んー???
正解は「グリーリー」、「香港証券取引所」は反対側の壁に2点組みであり。
それにしても、牛がたくさん。一つの囲いに200頭はいるとして、
写真に写っているだけでも2万頭くらい?いや、数え切れないから、
途中からてきとーだけども。牛だらけ。もうこれを証券取引と呼ぼうよ。
グルスキーでは、「ライン川Ⅱ(ローマ数字2)」もよかった。
学生のときに、ウィーン郊外の川のそばで、ボーっとしたことを思い出した。

その他、トーマス・デマンドの架空の室内、
ハンス=クリスティアン・シンクの橋の写真(白鳥が絶妙)、
ハイディ・シュペッカーの「動物園」の狭い空、
ベアテ・グーチョウの、これまた合成風景「写真」、
ロレッタ・ルックスの不気味な子供。


デジタル加工している作品が多かった。
うそとほんとうの間にぽっかりとあいた裂け目に落ちてゆきそう。
ひゅー。


同時開催のザンダー展は二階にて。
「若い農夫たち」が、やっぱし印象的ですね。
ミュージアムショップでも、買ったのはこれのはがきだけ。
リチャードパワーズ著、柴田元幸訳『舞踏会へ向かう三人の農夫』(みすず書房)は、
宿題にしておこう。


『美術手帳』2005年11月号が売っていた。
これが、まさに「ドイツの現代美術特集」だった。
この雑誌でもとりあげられているシュテファン・バルケンホールが、
気になる人でありまして、象頭の人物のポスターは記憶にあったのだが、
特に見ようともしていなかった。ところがチラシの裏に載っていた別の作品に、
どっかで見たことがあるような気が。これまた学生のときの、
ドイツ旅行中のはなし。こんど、おみやげに買ったポストカードを調べてみよう。