ある6月の本屋な日

本屋な日々 青春篇


妻が仕事に出かけたあと、
二度寝をしていてもほっといてくれた娘、さんきゅ。
なのに、機嫌が悪そうな声が向こうから聞こえて来たら、
衝動的に叱り声で応答してしまい、静かな冷戦状態に。
三歳児が心配してしきりに話しかけてくる。
これが、「戦争」というものか。


自転車で遊んだり、昼食を取って帰ってきて、
昼寝を促したりしている間に、夕方。
夕飯の準備もままならないまま、
ねぼけ眼の娘ふたりを連れて、
車で出かける。


妻の職場に娘らを放流して、
車の代わりに妻の自転車に乗って、駅へ。
少しの登り坂にも、膝が笑う。マジか。


車中のとも。
内沼晋太郎『これからの本屋読本』(NHK出版)


「店とは、話しかけられる側の人」、しみた。刺さった。

開店しているその時間は、大小の差はあれ、不特定多数の他人に対して、気持ちを開いていなければならない。(p.103)


果たして僕は、気持ちを開いているだろうか。


ついこないだ刊行されたばかりの、
若林恵さよなら未来――エディターズ・クロニクル 2010-2017』(岩波書店)からの引用にも驚く*1


改札を出て、小走りで本屋を目指す。


石橋毅史『本屋な日々 青春篇』(トランスビュー)刊行記念トークイベント「LIVE 本屋な日々」
ゲスト:長谷川稔(水無瀬・長谷川書店)
http://standardbookstore-abeno.blog.jp/archives/24338644.html


石橋さんの「取材」を目の前で見るようなトーク
左右に座る長谷川さん、北村さんに向けられた石橋さんの「質問」こそが、
今日のおみやげ。お久しぶりの居留守文庫岸さんにもご挨拶できた。


イベント終了後、図々しく「打ち上げ」にも顔を出して、
第2ラウンドを観戦。毎度のことながら、イベントでいただいたエネルギーを、
職場に還元しなければなー!どないしよ!と頭を抱えつつJR奈良駅から歩いて帰った。

だから、これからの「本屋」の仕事は、本をできるだけ誠実に選ぶことだ。できるだけアンテナを張る。わからないことには無理に手を出さない。新刊の洪水が続く中、自分がわかる範囲で、できるだけ胸を張って、意志をもって差し出せそうな本を選ぶ。個人として、できるだけ正しくあろうとして、少しずつ、全方位的に目配せできるよう努めていく。誰も完璧であることはできない。できていないことも自覚しながら、少しでも誠実な場を提供することで、客との信頼関係を築いていく。(p.111)


内沼晋太郎『これからの本屋読本』(NHK出版)

*1:内沼晋太郎さん自身による裏話:https://twitter.com/numabooks/status/1010832175619403778