幸せをお持ち帰りになりますか

石塚さん、書店営業にきました。


今日は祝日だったので、入荷はなし。
レジ業務の隙をついて、たまっている在庫を棚に出したり。


読了。
石塚昭生『石塚さん、書店営業にきました。』(ポット出版

 私は、児童書売り場でいつまでも本を眺めて帰ろうとしない幼児を見るのが、とても好きです。
 幼い子供達にとって本は「商品」ではありません。親がもう帰ろうと言っても、買ってなんかやらないと言っても、それら全てに逆らってまでしがみついていたい「素晴らしい何か」です。
 幼い子供にとって本は「買う」ものでさえありません。親が別の大人と何か意味不明の事をしてくれると、持って帰る事ができるものです。持って帰るのは形としての本であるよりも、楽しくて、惹きつけられて、我慢できない程の魅力を持ったものと一緒にいられるという「喜びそのもの」です。幸せをおみやげとして持ち帰るわけです。

 <中略>

 私たちの仕事の全ては、あの幸せのお持ち帰りの上に成り立ち、常にその恩恵をこうむっています。それを求めて今日も本屋へ立ち寄る人々の手伝いをするのが、私たちの仕事の原点です。
 とても難しいですが、とてもやりがいのある仕事です。幸せのお持ち帰りですよ? こんないい仕事はないでしょう。(p.231-233)


本も好きだが、本屋さんが好き。
だから、一日でも長く、現場に立っていたいと思う。
一日でも長く、今、一緒に働いている仲間と、
本屋さんで汗をかきたいと思う。


石塚さんの本は、書店営業をする版元営業さん向けのメッセージ、
で構成されているが、書店員にとっても具体的な示唆に富んでいて、
かなり勉強になる本ではないかと思う。出版営業のSさんが、
バイブルだと言ってたのも、わかる気がする。
ときどき読み返して、励みにしたい。


気になる既刊。
岡田武史羽生善治勝負哲学』(サンマーク出版