真夜中の庭の魔力
読了。
植田実『真夜中の庭――物語にひそむ建築』(みすず書房)
一度、延長したので、もう今度は返さねばならないときになって
ようやく読み始めた。そういう本に限って、面白い。
時間がない。集中力が高まる。
二度と俺の前で口をきくな。亭主にそう罵られて以来、ほんとうに何十年も黙りこくったまま死んでいった女がいたという話を新聞で読んだことがある。(p.81)
気になった本。
エーリッヒ・ケストナー、高橋健二『ケストナーの終戦日記―1945年、ベルリン最後の日 (福武文庫)』(福武書店)
A.A.ミルン、E.H.シェパード、石井桃子『クマのプーさん (岩波少年文庫 (008))』(岩波書店)
A.A.ミルン、E.H.シェパード、石井桃子『プー横丁にたった家 (岩波少年文庫(009))』(岩波書店)
A.A.ミルン、E.H.シェパード、小田島雄志、小田島若子『クリストファー・ロビンのうた』(晶文社)
A.A.ミルン、E.H.シェパード、小田島雄志、小田島若子『クマのプーさんとぼく』(晶文社)
その他、いろいろあったが、メモりきれなかった。
『たのしい川べ』や、ムーミンシリーズ、ゲド戦記、
滝田ゆう「泥鰌庵閑話」などなど。
植田実の本は、初めて読んだ。『東京人』などで、
建築関係の文章を書いていた人、といった程度の認識。
ここまで本を読みたくさせられる文章が並んでいるとは。
読み終えずに返すのが悔しくて、一気読みで読了。
しかもこの本、副題が「物語にひそむ建築」とあり、
植田氏得意の、建築に関するアプローチのみの書評本なのか、
と、それはそれで興味深いけれど、小難しい本なんじゃないか、
という警戒を持ってしまっていた。ところが目次を見た感じ、
児童書を中心に取り上げられているではないか!
初めてこの本を手にしたのは、恵文社一乗寺店だったかと思うが、
その時点では、ここまで面白い本だとは思わなかった。
いやぁ、借りて良かった。本当は、書棚に並べたい。
荒川洋治や長田弘のみすず本と並べたい。
それにしても、みすず書房の本の、高価なことよ。
悔しいなぁ。仕送りもらって本代に不自由しない学生諸君、
今のうちに、みすず書房の本を買っておきなされ。
僕は、荒川さんのみすず本すら揃えられてないから。