娘たちに声援を送る練習

 

 

 

放課後、ジュンク堂に寄る。

今日は、エスカレーターを降りた途端に、

レジに並ぶ人の列にギョッとする。

まぁ、そうなるか。

 

 

 

 

「ふつうのおんなの子」のちから 子どもの本から学んだこと

 

 

昨日書いたハガキを、今朝は忘れずに投函できた。

Sさんからのメールに「小山清を読んで手紙を書きたくなった」

とあって、なるほど、ここ最近、ハガキを書きまくっているの、

『風の便り』からの影響もあるのかもしれない。

 

 

 今日から、『あとは切手を、一枚』を読みだした。

カバーを外した本体には、OとHの文字が、

へこむように圧してある、すごい。読みながら、

なんとなく、指先がなぞってしまう。

 

 

一通目は、堀江敏幸だろうか。女性的な語り口、

でも、ところどころに「堀江敏幸的」な文章の運び方、

を感じる気がする。ドナルド・エヴァンズの名前に、

胸が踊る。文芸文庫は買っていないが、家には単行本がある。

かなりワクワクしながら読み進めてしかし、時々、

『早く一通めが終わってくれないかな』と思う。

なぜなのか。少し頭が痛いからなのか。

 

 

連休明け、今日もひとり作業。

ふと、スマホの画面に誕生日祝いのメッセージを見つける。

さっと目を走らせただけで、ポケットに戻す。

幸福の種をしゃぶるのは、タイミングが大切。

 

 

放課後、ジュンク堂に寄る。

今日は、エスカレーターを降りた途端に、

レジに並ぶ人の列にギョッとする。

まぁ、そうなるか。

 

 

ちくま文庫の新刊のところをチェックするも、

まだ『読書からはじまる』は入荷していない。

秘密の花園』福音館のやつを発見。岩波少年文庫も見つけた。

角川文庫のものも、手にしてみた。自分が読むためではあるが、

あわよくば娘も読んだらいいな、と、福音館のにする。

 

 

ふと、マンガ版『空飛ぶ馬』のことを思い出す。

コミックの在庫を見つけるのは、苦手だ。そんなときは、

遠慮なく、検索機の力を借りる。印刷した紙片を手に、

コミック売り場を一周。なかなかに難しい。

レジの行列が伸びてきている通路にて、

ようやく、発見。ためし読み冊子で、

絵柄を見てみる。よく分からない。

 

 

自分がこの「絵柄」で楽しめるものか、分からない。

いや、そんなことを言い出したら、全ての本において、

自分が「楽しめるものか」など、事前に分かることはない。

買うか、買わないか。その根拠を、いったい、

どこに求めればよいものか。

 

 

秘密の花園』『空飛ぶ馬』を抱えて、ふと、

「三冊屋の病」が頭をもたげる。もう一冊か。

この2冊なら、「女の子」というのが共通項か、

すると、あれはどうだ。図書館で借りて読んで、

いつか手元に置いておきたいと思っていた、アレ。

 

 

児童書売り場の一角、絵本論などが並ぶ棚にて、

以前に何度か目にしたはずの背表紙を探す。無い。

『無くなってしまったかー』という思いが湧くも、

『いや、なんか、あるような気がする』と、

粘り強く棚を眺めまわして、見つけた。

 

 

自分の誕生日に、「女の子の本」を三冊も買うのは、

どういうつもりなんだろう。「男の子の本」は、

要らないのか。要らない気がする。もはや、

「男の子」としてどうにかなろうという気は、

失せてしまったのか、男の子の参考書を求めようとは、

思えなかった。それよりも、女の子たちの親として、

せめて、なにがしかの応援歌の練習になれば、と。

 

 

購入。ジュンク堂書店難波店。

フランシス・ホジソン・バーネット、猪熊葉子秘密の花園 (福音館文庫 古典童話)』(福音館書店

タナカミホ、北村薫空飛ぶ馬 (トーチコミックス)』(リイド社

中村桂子「ふつうのおんなの子」のちから 子どもの本から学んだこと』( 集英社クリエイティブ

 

 

車中のとも。

小川洋子堀江敏幸あとは切手を、一枚貼るだけ (単行本)』(中央公論新社

 

 

二通めまで読んだ。想像していたのとは、

全く違う内容に戸惑った一通め。けれども二通めまで読んで、

二人の向き合い方が見えた気がして、嬉しいような、残念なよな。

「戸惑いながら読む」という困惑感も、案外、新鮮だった。

三通めまで読んだところで、近鉄奈良。今日買った三冊には、

手が伸びなかった。特急電車、ちょっと早すぎるなー。

 

 

娘たちは、もう寝るようだった。

わずかな時間でも、起きているうちに帰宅できた、

それは幸せなことだった。ふたりが寝てしまった後、

ケーキをいただく。その辺にぽい、と置かれていた、

妻からのメッセージカードは、味わい深かった。

 

 

友人からの本。当日に届く采配に舌をまく。

明日、お礼のメールを送ろう。

 

 

日々、たくさんの声援をもらっているのだな。

娘たちにも、日々、声援をおくってゆこう。

春、乱読。

ウィーン近郊

 

読了、ゆうべ。

黒川創ウィーン近郊』(新潮社)

 

小説から遠ざかりつつある、と最初に感じたのは、

いつだったか。すでに、学生の頃か、あるいは、

卒業して数年、本屋さんでバイトするようになってからか。

小説を読んでいる人の姿が、まぶしく思えたりもした。

 

遠ざかる、というと、少し、実際とは違っているかもしれない。

読んでいる本たちの中に占める小説の割合が減ってきた、という感じか。

読まなくなってしまったわけではないのだが、手に取る回数が、

減ってきたのだった。読むのは、好きだった。読み終えて、

本を閉じて現実世界に向かうとき、「読み続けたい」と、

そう感じるのが苦しいな、と思ったのだった。

 

それならば、読んでいるさなかと、本を閉じた後とで、

脳内で描かれる「世界」が地続きならばいいのではないか、と、

「ノンフィクション」的な読書が増えていった気がする。

エッセイとか、評論的な新書とか。こないだみかけたツイートで、

「小説を読む困難さに、小説世界へ飛び込む過程と、帰ってくる体力が」

みたいなのがあって、ていうかぜんぜんうろ覚えで検索してみたけど、

見つからないからそのままうろ覚えのまま書いていきますけど、おおむね、

自分の実感と変わらなかったのだけど、なんて言ったらいいのだろう、

性格とか環境とかそういう問題ではなく、「読む体力」の問題、

だったのか、とか思って、それならばしかし、20代半ばで、

「小説を読む体力が衰えてきていた」っていうのは、

にわかに信じたくない状況で、しかも、それに甘んじて、

どんどんと物語に手を伸ばさないままに自分を弛めていってたなんて。

 

これから老眼のこととか、「読む」というのに対して、

ネガティブな要素がどんどん増えてくるんじゃないか、

ってなことも加味して、改めて、小説に対するブレーキを、

全開にする、ブレーキを全開って、言う?アクセルじゃなく?

読みたい、と思ったら、反射的に読んでいこうかな、と。

 

てなことは、今日、いま、ここでつらつら考えただけで、

昨日、『ウィーン近郊』を購入したときにも、車中、

びゅーびゅー読み進めていったときにも、全然、考えてなかった。

今日、さっきラーメン食べながら佐藤泰志を読んでいて、

登場人物若いな、とかもちらっと頭をかすめたけれど、

向こうの席で文庫本読んでる老人をちらちら気にしながら、

こんな風に、「お行儀悪く本を読める自分、ガンバレ」とか、

小説をごくごく読んでいることに久しぶりの「爽快感」も覚えたり、

そんな風な「体感」から後付けでことばをこしらえただけなのだ。

 

購入。とほん。

 レベッカ・ソルニット、渡辺由佳里『それを,真の名で呼ぶならば: 危機の時代と言葉の力』(岩波書店

田口史人『父とゆうちゃん』(リクロ舎)

『続 次の本へ』(苦楽堂)

 

 

とほんさんからの帰り、郡山駅のホームにのぼる坂道の手前、

まだ陽が当たっているところにつったって、文庫を読んだ。

 

ひなたのとも。

佐藤泰志きみの鳥はうたえる (河出文庫)』(河出書房新社

これは、前回だったか、とほんさん帰りに蝶野さんで買ったやつ。

コートのポケットに入ってた、ここ2、3日ほど。

 

でも、電車に乗りこんだらもう、モードが変わってしまっているんだ。

 

車中のとも。

吉田篤弘ぐっどいゔにんぐ (金曜日の本)』(平凡社

 

「駄目なロボット・オーケストラ」、サイコー、とか、

ツイートしてたらもう、また、モードが変わってしまって、

近鉄奈良。ラーメン食べながら佐藤泰志へ、戻る。

 

気になる新刊。

立岩真也介助の仕事 ――街で暮らす/を支える (ちくま新書)』(筑摩書房

 

 

学生の頃、ウィーンに旅行に行ったことがあった。

なんとなく、好もしかった。エゴン・シーレの絵も好きで、

美術館にも行ったのではなかったか。「死と乙女」の絵があったか、

ちょっと思い出せないけれども。2019年の秋から語り起こされた物語、

最後にはちらりと、コロナという語も現れた。登場人物の関西弁に、

青が散る』を思い出すなど。んー、やっぱし、小説に、

呼ばれているのかもしれない。

 

 

最近読んだ本。

伊藤清彦、内野安彦『本屋と図書館の間にあるもの』(郵研社)

アーノルド・ローベル 文・絵、三木卓 訳『かえるの哲学』(ブルーシープ)

吉田亮人写真集 The Absence of Two』(青幻舎)

吉田亮人『しゃにむに写真家』(亜紀書房

橋本亮二『本を抱えて会いにいく』(十七時退勤社)

國分功一郎、熊谷晋一郎『<責任>の生成ー中動態と当事者研究』(新曜社

島田潤一郎『古くてあたらしい仕事』(新潮社)

前川恒雄『未来の図書館のために』(夏葉社)

松田道雄松田道雄 子どものものさし (STANDARD BOOKS)』(平凡社

赤坂憲雄、藤原辰史、新井卓『言葉をもみほぐす』(岩波書店

佐久間裕美子『Weの市民革命』(朝日出版社

 

「最近」ってのがどこまで含まれるのか。

なんとなく、関連していそうなのをさかのぼってみた。

『We の市民革命』とか一か月くらい前だけど、たぶん、

今日のレベッカ・ソルニットとかにつながっているはず。

 

そうそう、「真の名」って、「まことのな」って読むのですね。

「真」にルビうってあった。「シン」って読んでしまっていた。

さっそく「真の名」を呼びそこねてるし!