小走りでも、出塁

またもギリギリの出発時間。
起き抜けの妻にパスされたごみ袋を持って、
階段を駆け下りていく。ごみあみの下に、
確実に袋を放りこんで、小走りGO!


近鉄奈良の時点では、それほどいつもと変わらぬ乗車率。
TLを見ながら、『送品表をチェックしなきゃな〜』と、
そわそわしていたら、何やら声の大きな男たちが乗ってきた。
酔っぱらいか。ケータイから目を離さずに、視界の端で缶を捉える。
酒酔い、進行中か!聞くともなしに聞こえてくる会話の内容から、
どうやら兄貴と舎弟らしい。酒を飲み続ける舎弟に苦い気持ちも抱きつつ、
微妙に弱みを露わにして舎弟にからかわれたりしている兄貴の様子が面白い。
でもとてもうるさいのできゃつらの前に誰か立ちふさがって欲しかったのだが、
生駒を過ぎてしまったのであきらめた。もう鶴橋までこの状態だ。


送品表を見るか。
・・・うわー、今日も山盛りだった、そうだった。
現実逃避していたんだなー。


鶴橋で環状線を待つわずかな時間に、
まだホットペットミルクティを買う俺。
幸せな気持ちで、温かい飲み物を口に含む。


環状線を飛び降りて階段へと向かう。
左手から、男が小走りで目の前を過ぎる。
そう、俺の兄貴は「小走り兄貴」だ。いつもながら、
軽快な階段くだりと、自動改札を抜けた後の猛アクセル。
モーゼよろしく人並みを縫っていく兄貴の後ろを、
ゆうゆうと小走る、小男が、俺。


車中のとも。
ブックオカ編『本屋がなくなったら、困るじゃないか: 11時間ぐびぐび会議 (棚ブックス)』(西日本新聞社

野村 書店には並んでいないけど、存在していますよ、という情報の拡散が大切ですね。(p.36)


そういえば、とり本屋開設のそもそもの動機も、
即返されてゆくチャーミングな本の記録だった。*1


FAX問題、ムック問題が語られている。
そうそう、と思う。この対談は、10年前のものではない。
10年前、いや、もっと前から続いている問題を、「そりゃ、どうにかしたいよ」と思って、
福岡に集った「本屋」たちが、語りあっているのだ。ただ話題にしてつっついているだけでなく、
ただそれを読んで「あるある」とツイートしているのではなく、この後すぐ、
小走りで向かう売り場で僕が、立ち向かって何とかしなきゃいけないのだ。


小走りで店に向かってたら、散歩している犬が飛びかかってきて、
「うおあ」っつって、飛びのいてしまった。前途多難だな。


夕方、お問い合わせの雑誌が見つからないと、
スタッフがやってきた。売り場に向かう。面陳、平積みを見る。
確かにない。このゾーンは、パートさんが出してくれたところで、
僕は触っていなかったが、いくつか面取りをした記憶は残っている。
こことそこは僕が再配置したままになっているから、残るはこことここか。
・・・おかしい。たとえ売り切れたとしても、そこは空いているはずだ。
3冊入荷なら平積みにはすまい。面陳の場所は、ここしかない。
そこには別のものが陳列してある。とすると、陳列してない、
としか考えられない。とりあえず「店頭在庫は、ないです」、
と答えてスタッフの後ろ姿が棚の向こうに消えた後、
目の前の平積み雑誌を持ちあげて、裏返してみる。


あった。


小走りでスタッフを追いかけようとして、
お客さんにぶつかりそうになる。すみません!


なんとか、お届けすることに成功した、はず。
内野安打、的な喜び。とにかく塁に出たよ。


購入。フジケイ堂小西通り店。
胡正則、長岡義幸『物語のある本屋』(アルメディア)


『ローカルブックストアである』*2に出てきた本。
こういった本屋さんの本の類(特に昔のやつ)は、網羅するほどではないにせよ、
食べきれないほどには買いあさってしまったので、とんと手が伸びなくなっていたのだけれど、
大井さんの文章を読んでいたら、ちょっと気になってしまった。ちょうどフジケイ堂で見つけたので、
買ってしまった。これを機に、読めずにいる「本屋さんの本」を読み散らかしていこうかなぁ。
読めないやつは、処分しようかなぁ。


啓林堂さんで、『テレビブロス』を立ち読み。
『月刊ドライブイン*3の書評のところ。俺のTLで、話題沸騰。気になる。