適当な鈍さをかぶって暮らす

海の島―ステフィとネッリの物語


祝日休配出勤だけれども、
妻も仕事だったので、洗濯したりお弁当を用意したりの、
ゆっくりモーニング。明るくなった道を出かける。


車中のとも。
アニカ・トール、菱木晃子『海の島―ステフィとネッリの物語』(新宿書房


行きの電車では「8」まで読んだ。
ふたりの姉妹の心細さを思う。では今、
僕が心細くないというのはどういうわけだろう。
言葉の問題、戦争のこと、年令のこと。


たしかにふたりの境遇とは全く違うところにいる。
でも先行きが見えないことには変わりないだろうに。
不安にやられないように、適当な鈍さをかぶって暮らしているのか。
それが古くなった子どもの手にした「知恵」なのか。


(休配日のサボり癖を、なんとかしたい。)
(もう2つ、3つは、作業をこなせたはずだのに)


車中のとも。
アニカ・トール、菱木晃子『海の島―ステフィとネッリの物語』(新宿書房


いろいろと辛いな。お話の中の子どもたちには、
おなじみの辛さでもある。お話の外の子どもたちにも、
おなじみかもしれない。子どもたちは、多かれ少なかれ、
辛い気持ちで暮らしているのかもしれない。


とはいえ、同じくらい喜びも感じているだろう。
子どもの頃は、嬉しいことと悲しいこととが、
かわるがわる襲来していたような気がする。
もちろん、僕のときに戦争は、なかった。
ヒトラーも、いなかった。この先にも、
戦争や独裁者は、いない方がいい。


そうして、ただ、子どもだからというだけで、
悲しかったり嬉しかったりするのがいい。


『海の島』のことは、『図書館で出会える100冊』*1で知ったのだが、
他にも、僕みたいに『海の島』にたどり着いたひと、いるんだろうか。
紹介文でよさそうだなと思ったけど、実際、面白い。田中共子さんに感謝。