本と本屋のバトンタッチ
異動があって、このお店で働くのは、
今日が最後。果たしてこの一年間で、
私は何事かを成し遂げただろうか。
受け取ったバトンを、誰かに渡せたろうか。
自分の環境は、どんどんと変わっていく。
「やりたいと思うことがあるなら、すぐにやらなきゃね」
とは、こないだ妻に言われたことば。
今日発注した本を、自分で棚に差すことはないんだな、
と少し感傷的な気持ちになりかけて、すぐに、
「他の誰かが棚に差す。君の代わりは、いる」
と思う。少なくとも、今はまだ。
閉店するわけではないのだ。
本屋が滅びるわけではないのだ。
けれども、自分がいなくなったあとにも、
変わらずに本屋がそこにあるとは限らない。
だからこそ、そのとき、そのときの現場で、
精一杯、棚を耕し、店を育てなければ。
私が生きている間に、
本屋が滅びるということは、
ありうる。
まったくありうることだ。
車中のとも。
ポール・オースター、柴田元幸『トゥルー・ストーリーズ (新潮文庫)』(新潮社)
知らない人間と天気の話をするのは、握手して武器を脇へ置くことである。それは親善のしるしであり、私もあなたと同じ人間なんですと認めるメッセージである。(p.289)
「ゴサム・ハンドブック」にある教えを、
いくつかでも実行できたなら。
購入。
寄藤文平『絵と言葉の一研究 「わかりやすい」デザインを考える』(美術出版社)
原武史『沿線風景 (講談社文庫)』(講談社)
『絵と言葉の一研究』
美術出版社のツイートで、
この本が褒められている文章を、
やたらと刷り込まれたおかげで、
買ってしまいました。