作文教室から始める津村記久子

苦手から始める作文教室 ――文章が書けたらいいことはある? (ちくまQブックス)

 

津村記久子の本を初めて買った。

これだ。

 

津村記久子『苦手から始める作文教室』(ちくまQブックス)

 

昨日、とほんさんで買った。

昨日はとほんさんでいろいろ買った。

その中の、一冊だ。

 

まだ会計をお願いする前の、

他に買う本を選んでウロウロしていた時だったか、

「書くことが、気になっているんですか?」

といった感じのことを、スナガワさんに聞かれた。

「はい」と、答えた気がする。

 

気になっているんです、書くことが。

 

この本の帯には、

大きめの字で、

 

苦手から

始める

作文教室

 

とあって、その下に色を変えて少し小さく、

 

書くことで

自分を見つける

 

と書いてあった。

 

「自分を見つけたいんですか?」

と聞かれていたなら、やすやすと「はい」とは、

答えられなかったような気がする。それでも、

答えはイエスだろう。インドに行って自分を見つけたい、

とは思わないが、書くことで自分を見つけられるなら、

見つけてみたい。

 

いや、自分を見つけたいから書きたいわけでもなかった。

 

この本は、と書いて、これを、この記事、

この「とり、本屋さんにゆく」の今日のこの記事、

「作文教室から始める津村記久子」を読んでいるひとは、

「この本」が何だったのか、もう分からなくなっているんじゃないか、

と心配になった。

 

なので、もう一度、書名を書くことにした。

この本、『苦手から始める作文教室』は、とてもていねいに、

ひとによってはひどくまどろっこしくて憤慨してしまうくらい、

「文章を書く」という作業について解説してくれている。

しかも、しかもという接続詞がふさわしいか不安だけど、

それが「メタ的」に説明されているので、メタ好きな私としては、

読み進めるうちにどんどん鼻の穴が開いてきてしまう。面白い。

 

まず、自己紹介から始まる。

自己紹介の「紹介」に「しょうかい」とルビがふってある。

この本は、「紹介」という漢字が読めない人に対しても開かれている、

ということが、分かる。次にルビがふられているのは、

津村記久子で、つむらきくこ、とある。親切だ。

 

ここまで書いてみて、「長い」と思った。

この調子で書いていくと、長くなりすぎる。

しんどい。書く方がしんどいなら、読む方は。

 

そういえば、私はまだ、

この本を読み終えていないのだった。

けれども、この記事を書き始めてしまった。

 

つまり、この本は、まだ読んでいる最中から、

何かを書き出さずにはいられないくらいに、

何かを書きたくなっちゃう本だった、

少なくともあたしにとっては。

 

すごい。

 

こうして、読みかけで書き出すことになった、

その、最後に読んだところに書いてあったのは、

ゼロ文目のことだった。

 

ゼロ文目?

ゼロ文目!

 

作文用紙の裏、または空いたところに「今からコバエについて書きます」とうすく書いてください、とわたしが申し上げたのは、書き出しよりもさらに前の文、書き出しを1文目とするのであれば、ゼロ文目としてその文があれば、書き出しの文も決まりやすいのではないか、と考えたからです。(p.58)

 

これまでにも何度か、

津村記久子の本が気になったことがあった。

今回は、津村記久子の本だから買ったわけではないが、

「面白そうな本だな、読んでみたい」と思った本が思いがけず、

前から少し気になっていた津村記久子さんの本だったので、

得したな、という感じだった。そして、すごく面白い。

読み途中でブログ記事を書き出すくらい面白い。

 

なので、今度、別のツムラさんの本も、

探して触ってみようと思います。

買いたくなったらいいな。

 

とほん/奈良大和郡山の本屋:https://www.to-hon.com/