とほんおさめ2021「遁走」

ぼくのがっかりした話 (シリーズ再生の文学)


妻実家へ荷物を受け取りにレンタカーを走らせる。
運転は、好きだ。ときどき事故るから、
控えめにしてはいるけれど、好きだ。
そうして、帰りにとほんさんにゆく。

 

ぽつぽつと近況を話しつつ、
背表紙で目を洗いつつ、買おうと思う本を、
ココロに刻みつけつつ、いつしかまた、
苦しい胸の内を吐露しつつ。

 

突然、奥方様が登場した。
「明けましておめでとうございます~(笑)」
なんですか、それ!いったい今がいつなのか、
実際に分からなくなって大爆笑。お邪魔してます!

 

今年は、コンスタントにとほんさんを訪問できて良かった。
すっかりアジール的に「利用」させてもらっていることに、
今日、気がついた。

 


私にとって、分かりやすい避難先は、
長谷川書店だった。今でも、そうだ。
だけど、その他の本屋さんも、少なからず、
私を励まし、守ってくれる場所であるのか。

 

それは、自分自身が一番分かっているはずだし、
島田さんの文章でも何度も読んでいるし、だからこそ、
「生きのびるために」本屋に潜入して日銭を稼ぐことにした、
のではなかったか?

 

あまりに弱りすぎているからなのか、

何なのか、本屋さんにゆくことだけでは、

回復しきれていない傷が増えてきたのかもしれない。

それでも、今日、とほんさんの「守る力」を感じて、

とてもとても、安心した。ありがとうございます。

 

購入。とほん。
『よくわかる出版流通の実務』(H.A.B)

『よくわかる出版流通の実務』(H.A.B)

思いやる心は傷つきやすい: パンデミックの中の感情労働』(創元社

橋本亮二『たどり着いた夏』(十七時退勤社)

セルジョ・トーファノ、橋本勝雄ぼくのがっかりした話 (シリーズ再生の文学)』(英明企画編集)