円くなって座る

ゆうべ、メールが来ていて、
妻に相談して許しを得て、今夜も予定を入れる。
娘らが具合が悪い日々が続く中で、
後ろめたさを抱えながらも。


(その後ろめたさが、皿洗いやお洗濯の動力源なのさ)


ロッカーで、財布の中身を軽くぶちまけて、
クレジットカードがなくなっていることに気づく。
青くなってカード会社に連絡したものの、
応対してくれた女性と話すなかで、
なぜかカードを止めない結論に。


心がざわついたまま、
今日で最終勤務の先輩を送り出す。
いろいろと、贈りたいことばもあったはずなのに、
ただぼうぜんと見送ってしまった。「いつかまた、
現場に戻ってきてくださいね」と口にしたが、
果たして、そこに熱がこもっていたか。


退勤後、牛丼などを摂取して後、もう一度、
カード会社に連絡。今度の担当者は、適度に緊迫した物言いで、
無事にカードを止めるところへ導いてくれた。
昼間の担当者は、なんだったんだろう。
この数時間で不正利用されてたりして。


鶴橋の高架下、わりと怪しげな入り口で靴を脱ぎ、
階段をのぼる。ドアがふたつあり、迷った挙句、左のドアを開ける。
それぞれのドアは、同じ空間につながっていた。受付を済ませ、
空いている座布団に腰をおろす。橋本久仁彦さんが、いた。
始まるまでの時間に、ガラクタケータイで、検索。
ぼくが、西村佳哲さんの著作で橋本さんを知ったのは、
もう、4年も前のことだったのか。ひょんなことから、たどり着いた。


「まなび方の本で気になった方」:http://d.hatena.ne.jp/tori810/20120612
「酒と記憶と子どもの古本」:http://d.hatena.ne.jp/tori810/20120616


沈黙と、「ことばを駒にした将棋のようなゲーム」と、
発声せずに思考できない性質の告白と、相手をないがしろにしていないかという怯えと、
嬉しさの発生と、いくつかの誤解のうえに構築された感情の炸裂と。


帰宅して、『かかわり方のまなび方』*1の文庫を出してきて、
妻に報告。ともかく今夜、円くなって座ってみたよ。