夏ひとり京都本めぐり

コーヒーテーブル・ブックス ビジュアル・ブックの楽しみ方23通り


妻が娘ふたりを連れてお出かけ。
こちらは、休暇をいただいた。
京都に行こうと思っている。
どの本を持っていこうかと、
本棚の前で思案する。


ここ数年来、京都に出るときは、
善行さんや堀部さん、オカタケ師匠の、
新書サイズの本を持参することが多かったのだが、
今日は、なんとなく、そのパターンに飽きてしまったのか、
手が伸びない。昨日買ってきた『模倣犯』をぱらぱらしてたら、
どんどん時間が経ってしまった。こ、これでは休日が終わってしまう。
慌てて外へ飛び出る。『模倣犯』を連れてきた。


「読みたい気持ちへの向き合いかた」が、まだまだうまくない。
人それぞれだし、誰にも教わることはできない。今日のところは、
あまりいろいろ作戦などたてないで、シンプルに、
「読みかけの気になるこいつを連れていこう」だ。


訪問先との結びつけや、昨日までの読書とも関係のない、
けれど先月の旅先で読みかけた本からの強烈な呼び戻し。


車中のとも。
宮部みゆき模倣犯1 (新潮文庫)』(新潮社)


本を読んでいると、あっという間に出町柳に放り出された。
どこをどう回ろうか、何も考えていなかった。
とりあえずいつものレンタサイクル屋に行く。
・・・お金がない。家に置いてきた方の鞄か。
ATMまで歩いていってお金をおろした。


自転車にまたがって、まずは善行堂へ。
善行さんのブログで開店時間を確認。
今日は、最初からお店にいるはずだ。
そとの均一台をひと通り睨んでから、
お店に入る。もう、迷わず挨拶する。


思いつくままに、いろいろとおしゃべりをする。
『“ひとり出版社”という働きかた』*1のこと、
サウダージ・ブックスのこと、夏葉社のこと。
善行さんとお話していると、本屋の仕事を、
もっとがんばらなきゃだめだなぁ、と思う。
がんばります・・・。


購入。古書善行堂。
『SUMUS別冊:詩と文』(古書善行堂)
黒島伝治山本善行瀬戸内海のスケッチ―黒島伝治作品集』(サウダージブックス)


善行堂を後にして、でたらめに北上する。
知らない道を、ちょっぴりドキドキしながら、
心地よい風を感じながら進む。あまり暑くないね。
途中からイヤホンで山田稔明『home sweet home』*2を流しながら、
誰かに会いたいような、ひとりで自転車こぎ続けたいような気分で。


恵文社一乗寺店、心なしか、いつもよりお客さんが多いような。
堀部さんがレジにいる。ここで堀部さんの姿を見るのは、
これが最後になるだろう。そんなことを思ったら、
自分が感傷をしゃぶり続けるくだらない男に思えてきて、
この先の人生がクレヨンで汚らしく塗りつぶされたような気がした。


気になった本。
大岡玲たすけて、おとうさん』(平凡社
アンドレイ・クルコフ、吉岡ゆき『ウクライナ日記 国民的作家が綴った祖国激動の155日』(ホーム社
難波里奈『純喫茶へ、1000軒』(アスペクト
長田弘本に語らせよ』(幻戯書房


ウクライナ日記』アンドレイ・クルコフは、『ペンギンの憂鬱』*3の。


購入。恵文社一乗寺店
堀部篤史コーヒーテーブル・ブックス ビジュアル・ブックの楽しみ方23通り』(mille books)
REAR 32(2014)―芸術批評誌 芸術・批評・ドキュメント 特集:本をとどける』(リア制作室)


堀部さんにレジを打ってもらって、恵文社を出る。
またも適当に自転車を走らせて、出町柳に戻る。
自転車を返却してから、下鴨神社へ向かった。
会場について、いつものように、黙って北上。
するとアナウンスで、児童書コーナーが四時までとな。
あと10分しかない。参った。もっと早く来ればよかった。


購入。下鴨納涼古本まつり。
石井桃子、横内襄『ちいさなねこ』(福音館書店


ざっと冷やかしながら南下したけれども、
けっきょく、その後は一冊も手につかず。
疲れていたのかいじけていたのか。
そのくせ、不完全燃焼を不満に、
疲れた足をひきずって、
三条のブックオフへ。


購入。ブックオフ京都三条駅ビル店。
宮部みゆき模倣犯2 (新潮文庫)』(新潮社)
松村雄策岩石生活(ロックンロール)入門 (ちくま文庫)』(筑摩書房


帰りの電車でも、『模倣犯』を読みふける。
ふと、本田靖春の『誘拐』*4を思い出した。
推理もの、犯罪ものは、途中でやめられなくなるから、困る。
眠気が助けに来てくれるまで、ページをめくり続けてしまう。


本なんて、やっかいなものですなぁ。