書店員のエレジー

この人たちについての14万字ちょっと


まったく予期していなかったのだが、
なんか雑誌の入荷多いし、お客さんも多いし、
レジ内に積みあがった雑誌に挑みかかれる人がいないまま、
昼が過ぎた。ああ、無念。新刊の雑誌が、売場に出る前に、
腐っていく、ああ、ああ、ああ。


なぞと、のたうち回っているのは書店員だけで、
お客様は半年も前に刊行された本だって、
「最近出た本なんだけど」とおっしゃる。
ですから、自己愛の裏返しである自責の台詞は、
スリップと一緒に引き抜いて、淡々と、淡々と、
売るべき本を並べるのです。入荷した雑誌を並べるのです。


気になる新刊。
後藤正治『清冽 ― 詩人茨木のり子の肖像』(中央公論新社*1
佐々涼子エンジェルフライト 国際霊柩送還士 (集英社文庫)』(集英社
井上亮『熱風の日本史』(日本経済新聞出版社
重松清この人たちについての14万字ちょっと』(扶桑社)
中原昌也知的生き方教室』(文藝春秋
広瀬隆文明開化は長崎から 上』(集英社
広瀬隆文明開化は長崎から 下』(集英社


『清冽 ― 詩人茨木のり子の肖像』 文庫の刊行予定を見てたときには、
気がついてなかった。単行本を見た時も、ずいぶん興奮した気がする。
そうかー、文庫化したかー。読みたい、欲しい。
『エンジェルフライト』こちらも文庫化。
佐々涼子さんは、『紙つなげ!』*2の。


『この人たちについての14万字ちょっと』重松清による人物ノンフィクション&作家論とさ。
伊集院静池澤夏樹浦沢直樹鈴木成一是枝裕和いとうせいこう山田太一
赤川次郎酒井順子の9人。


昨日見た『なずな』の文庫*3、けっこうコンパクトで意外な気分。
あれか、単行本*4は、紙質とかも関係してあんなに分厚かったのかな。
ある人に差し上げてしまったのだけど、ほんのり、
惜しい気持ちがわきあがり。


またどこかの古本屋さんで再会したら、
買ってしまうかもなぁ。(←古本かよ)


車中のとも。
長嶋有タンノイのエジンバラ (文春文庫 (な47-2))』(文藝春秋


2冊持っていると、気分によって、
どちらか選べるのが、いい。


   1冊しかないと、どんな気分であっても、
   その本を読むことで、ある一定のゾーンに調律される。
   それはそれで、とてもいい。


ふたつめの「夜のあぐら」を頭から読み始める。
再読だが、ほとんど覚えていないなぁ。