思い出めぐらし
鷲田先生の本。久しぶりに、
震災についての文章を読んで、
気持ちが引き締まる。
車中のとも。
鷲田清一『語りきれないこと 危機と傷みの哲学 (角川oneテーマ21)』(角川学芸出版)
絶対になければいけないものと、あったらいいけどなくてもいいものと、端的になくていいものと、あってはならないこと。いろんな社会的な出来事や人物に触れたときに、大体でいいから、この四つのカテゴリーに仕分けすることができている、というのが、教養がある、あるいは民度が高い、ということなのです。(p.82)
原発は、なくていいもの?
あってはならないもの?
どちらにせよ、あたしは、
欲しくないよ。
読了。
堀江敏幸『めぐらし屋 (新潮文庫)』(新潮社)
幸か不幸か、蕗子さんの父と母の墓は、方向が正反対になるので面倒は面倒だが、その気があれば電車で移動可能な距離にあった。(p.173)
両親がともに、亡くなってしまっている、
という状況に主人公があることに、
ここまで読んでようやくひやりと思い知る。
蕗子さんには兄弟がないのかしら。
そうすると、誰か思いがけないひとからの、
父親の思い出話というのは、ほんとうに、
ほんとうに奇跡のようなものなんだろう。
堀江敏幸の小説、好きかもしれない。
ちょっと意識して読んでみようかしら。
6月だ。