実家で古本採集、新幹線で「代わりに読む」


昨日は代わりに読むTシャツを着て『代わりに読む』を読むことに成功した。
読んでいるときは、着ていることを忘れてた。着替えは持ってきてないので、
今朝も代わりに読むTシャツを着る。『代わりに読む』を読めるかは、
分からない。子連れなので。


目が覚めたあとに決めたのか、夢うつつに決心したのか、
母には『冬の本』*1の方をあげることにした。
貸している本のなかに、田中美穂さんの名前を見たのも、
作用した。何やら慌ただしくきちんと渡せなかったので、
後で説明しようとテーブルに置いたままの『冬の本」に、
母が手を触れるところは目にできないまま帰ってきてしまった。


電車とタクシーを乗り継いで、実家へ。
疲れが頭の周りをとりまいている。父には、
『悲しみの秘義』*2と『AERA 1/21号』*3を渡す。
その後、みんなで近くのファミレスへ移動した。
トイレに行くときに窓から見える見知った風景に、
なんとなく、ぼーっとしてみたりする。


自分の残していった本から、いくつか、
持って帰る本を選ぶ。なんかもっとあったはずなんだけどな、
と、この作業をするたびに思うのだが、びびっとくる本には、
案外、会えない。「いつか読みたいなぁ」レベルの本は、
たくさん揃ってるんだけどなー。(←自分で買ってるからね)


そんな風にぼやぼやしていたら、新幹線の時間が迫っていることを、
妻に知らされる。「何度も言ったんだけど」と言われてしまう。
なんか、ボーっとしていたんだろう。駅まで走る。3歳児を抱えて。
東京駅までの京葉線は、眠ってしまう。起きてまた、新幹線まで、
急ぐ。3歳児は、眠っている。間に合った。良かった。


新幹線の中では、意外と頭がはっきりしていて、3歳児も眠っているし、
上の子も妻も、僕をほっといてくれるようなので、『代わりに読む』を取り出した。


車中のとも。
友田とん『『百年の孤独』を代わりに読む』。


「読書の登坂車線」(p.40)というワード、出てきた。
これ、前にも友田さんの何かで読んだことば。「旅日記を書きはじめると」だったか、
なんだったか。非常に魅惑的なことばだと思う。


「先が気になる方はぜひ本屋さんへ走ってください。私は引きつづき読みつづけます」(p.53)


なんか、とうとう気になってきた、『百年の孤独』のつづきが。
繰り返しに弱いんだな、あたしゃ。章の終わりに置かれているこの決まり文句が、効いてきた。


実家からは、それでも、10冊くらいは持ってこれただろうか。
買ったのにこれまで手が伸びなかったやつなどが珍しく気になったりして、
まずまずの採集だったのではないでしょうかね。

*1:冬の本』(夏葉社)

*2:若松英輔若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義』(ナナロク社)

*3:[asin:B07KZGS6B4:title]』(朝日新聞出版)