再会劇、そしてさよなら

マンゴー通り、ときどきさよなら (白水Uブックス)


ブックエキスポ。
淡い期待、という言葉よりも、
もっともっとかすかな、もしかしたら、
程度には頭によぎっていた再会が、
しょっぱなから実現した。


東京の本屋さんで働いていた頃に、
ずいぶんとお世話になった営業さん。
最後に会ったのは、西へ出てくる直前の、
2011年の年末か。あの日はまだ、
本屋さんに復帰することは、
決まっていなかった。


ひとしきりはしゃいだあとに、
自分が、その営業さんにどのようにして、
恩を返せるものだろうかと考えて、絶句する。
この絶句を忘れまい。ひきつった笑顔を残して、
更なる再会を希望して、ブースを去った。


そのようにして、合計3人もの、懐かしい方にご挨拶できた。
もうこれだけで、この日は幸せのお釣りがくるほどの一日だったと言ってよい。
が、なんといってもこの日の楽しみは、M先輩との久しぶりの再会なのだ。
待ち合わせは、半年ぶりの1003。ぶりだらけ。

<本日>
「珈琲かビールか、それが問題だ とり、1003でもひとり芝居(妄想)」
日時:11月7日(水)16時45分〜
場所:1003(神戸・元町)とおぼしき書店(各自脳内)
料金:フリー


前回会ったときは、東京に、サニーデイ・サービスのライブに行った日、
ライブの前に30分くらいだけ、コーヒーを共にしたのだった。*1
2年の間、手紙やメールでずいぶんと励ましてもらった。
今日は、ゆっくりお話しできる、楽しみ過ぎる。


車中のとも。
サンドラ・シスネロス、くぼたのぞみ『マンゴー通り、ときどきさよなら (白水Uブックス)』(白水社

いつか、わたしだけのホントの友だちをつくるんだ。わたしの秘密をうち明けることのできる友だち。わたしのいう冗談を説明ぬきでわかってくれる友だち。(p.18)


日が暮れかかったころに、1003にたどり着いた。
店内では、何人ものお客さん。ちおさんに目でご挨拶して、
ふわふわと背表紙を見てゆく。あちこちに、絵やらオブジェやらがあり、
よくよく見ると、「神戸南洋植物パーク」の展示をやっていたのでした。


そして、ノベライズ!なんという企画。上半身裸の男性の絵とか、
謎の詩を掲げる女の像とかに刺激されながら、文章を書く。
そうそう、ビールはやめて、コーヒーを頼みました。
先輩はなかなかやって来ない。


神戸南洋植物パークの展示、むちゃくちゃ良かった。
お客さんも、帰っては新しくやってきて、
店内もにぎわっている。すばらし。



仕事で遅くなった、という先輩がやってきたころには、
すっかり外は暗くなっていた。それでも、まだまだ時間はあった。
ちおさんに、どこのお店がおすすめかをたずねるという、
質の悪い客になって、ふたり、しばらく店内にとどまる。


購入。1003。
友田とん『『百年の孤独』を代わりに読む』


センパイの卒論は、マルケスだった。
買いますか、といざなったが、空振り。俺が自分で買った。
ちおさんに教わった金時食堂で旧交を温め、駅前の喫茶店で二次会。
今回は、互いの近況よりも、本の話に終始した感じ。(あんま覚えてない)
別れ際、改札の前でも立ち話。(つきあいたてのカップルか)


マンゴー通りを読んだり、音楽を聞いたり、
ツイッターを眺めたりしながら、神戸から奈良へと帰った。
いやぁ、おなか一杯の一日でありました。

*1:Title と再会と再訪と:http://d.hatena.ne.jp/tori810/20160627